先日、新しくできた書店をぶらぶら歩いていたところ、目に留まった本。
そのときは「『バビロン大富豪の教え』ってなんか聞いたことあるな……それのマンガ版か。最近は、いろんな本があるなあ」と思っただけだったのですが。
帰宅後にKindleUnlimitedを眺めていたら発見。
読んでみました。
原作:ジョージ・S・クレイソン 漫画:坂野旭 企画・脚本:大橋弘祐
『漫画 バビロン大富豪の教え 「お金」と「幸せ」を生み出す五つの黄金法則』Kindle版(2019)
どんな本?
1926年にアメリカで出版された本を現代日本用にアレンジしたもの、という感じでしょうか。
基本的にはマンガで描写されていて、ところどころに、「バビロンの教えを現代日本に応用するとどうなるか」という視点のコラムが入ります。
ポイント整理
感想
主人公はバビロンの貧しい少年。
ざっくりした流れとしては、
・「七つの道具とは何か」を教わる
・「五つの黄金法則」を学ぶ旅に出る
・その後侵略戦争で身近な人失い挫折
・再び貧乏からやり直して立ち直る
という感じなのですけれども(エピローグとプロローグには現代の描写が入る)。
「七つ道具」や、そこから派生した「五つの黄金法則」自体は、現代でもよく言われていることで「まあ、そうだよな」という感想でした。
(それだけ原著がよく売れた&今もアレンジされながら考え方が受け継がれているということだとは思います)
「七つ道具」や「五つの黄金法則」云々よりも、単に漫画として面白い、という印象のほうが強かったです。
「五つの法則」について考えてみる
原文の翻訳だと、文章が長くてちょっとまどろっこしいので、簡単に言い換えながら考えてみたいと思います(詳細は本書でご確認ください)。
① 収入の1/10を貯金(+運用)するとお金増えるよ
これは定番ですよね。
お給料から天引きするタイプの貯蓄システムもありますし。
理屈で考えれば至極当然のことではありますが、実際にできているかというと……。
赤字になるようなら、収支プロセスを見直さないといけないわけですね。
② 稼げる勤め先を見つけようね
単価の安い仕事ばかりやっていては、「働けど働けど……」ですよね。
どんなに働いても「大富豪」になるのは難しいです。
だからといって、単価の安い仕事をないがしろにするのではなくて、目の前の仕事を一生懸命やることで、つけられるスキルはつけて(転職なりしつつ)単価を上げていこう、という感じでしょうか。
③ 専門家のアドバイスは参考にしたほうがいい
たとえば、何か新しいビジネスを始めるとして。
その分野ですでにノウハウを持っている人に相談したとする。
「それはやめたほうがいい」となれば慎重に、という話ですね。
(相談相手を間違えたら元も子もありませんが)
④ 知識のない商売に手を出すのは危険
自分が詳しくない分野や、専門家が否定したビジネスに投資するのはハイリスク。
本書ではこんな描写があります。
主人公が騙された後、その様子を見ていた男に「俺も騙されたんだ、一緒に宝石店をやろう」と持ち掛けられ、乗っかるんです。
しかし、その男は全く働かず、しまいには主人公の稼いだお金を盗んで使うという……。
しかも、お金を盗んだことを問い詰めると「すでにお金があると貯めがいがないからあえてやったんだ」的な言い訳をするという……。
(本書とは関係ない話ですけど、こういう他罰的な言い訳、私の母がよく言ってたやつです……。そりゃ私も人生おかしくなるわな)
まとめると、知識と人を見る目がないと騙されるよ、という話。
だれもやっていないビジネスだからこそ成長の余地が、という考え方もありますから、そういう場合は、よく勉強せよ、ということですよね。
⑤ 甘い話には罠があるよ
ラクして大金を稼ごうとすると、だいたい裏には何かありますからね(犯罪がらみとか)。
自分の経験が未熟なのであれば、なおさら気をつけないといけない。
のですが、お金にしろ、能力にしろ「足りない足りない」と思っているときは、焦って判断力が鈍るものです。
いきなりジャンプしようとする、からの、痛い目に遭う(事態が悪化)、はあるあるパターンかと。
そう考えると、目の前のことを一生懸命やるしかないんだな、と思います。
一生懸命やっているうちに、自然と知識もついて、「こうしてみたらどうだろう」等の広がりが出てくるのでしょうね(広がりの度合は業種にもよりますけど)。
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おわりに
タイトルや、文中にしばしば出てくる「バビロンの大富豪」「黄金」などのキーワードで「秘められた奥義」的なものを想像してしまいますが、主張していることは極めて理論的でまっとうなことだな、と思いました。
お金関係の本を何冊か読んだことがある方は、「もう知っているよ」ということがほとんどかもしれません(原著の考え方がアレンジされつつ、現代でも知識として受け継がれていると思うので)。
マンガ形式だと読みやすいので、本が苦手な人や、お金の話は苦手と思っている人向けかな、と思いました。