ししもとの読書ノート2.0

自分らしく生きるために知識をつける

後回しにせず「すぐやる」ためにすぐできる対策2つ|感想『すぐやる!「行動力」を高める”科学的な”方法』

面倒なことはあとまわしにしがち

例えば皿洗い。

食後すぐに流し台に持っていくものの
「洗うのはちょっと休憩してからにしよう。汚れも浮かせておきたいし」
  ↓
「あー、お皿洗わなきゃ。このテレビ観てからにしよう」
  ↓
「あ……まだ洗ってない。ダラダラしちゃってダメだな、自分。そう思うとますますやる気なくなってきた……」
  ↓
「めんどくさくて絶望」

たいていこのループにはまります。

お皿を放置しすぎるのは衛生面が心配なので、「あーめんどくさすぎる」と思いながらも結局洗うのですが。

このダラダラ癖、なんとかしたい!
そう思っていたところに、魅力的なタイトルの本を発見しました。

菅原洋平『すぐやる! 「行動力」を高める“科学的な”方法』(文響社・2016)

すぐやる! 「行動力」を高める“科学的な

すぐやる! 「行動力」を高める“科学的な"方法

 

 

 



どんな本?

著者はリハビリテーションを専門とする作業療法士の方。

リハビリといったら、とにかく身体を動かす、練習する、みたいな印象を持っていましたが、根幹には脳機能が関わっています。

だからその脳が働きやすいようにあれこれと工夫するのだそうです。

この工夫は、健康な人が「自分の脳をより活用するには」ということにも応用できるわけです。

本書では著者の知見をもとに編み出された「すぐやる」ための方法が提案されています。


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すぐやらないのはなぜか

すぐやらない原因は、「性格」や「やる気」でしょうか。それは違います。脳が「すぐやる」モードになっていないだけです。

引用元:菅原洋平『すぐやる! 「行動力」を高める”科学的な”方法』(文響社・2016)p.3


なんと!?
すぐやらないのは、生まれ持った性質、能力のせいだと思っていました。

というのも、私の母は、私の1000倍くらいダラダラしている人でした。家事ができず、常時ゴロゴロ、テレビが友達。

一方、伯母(母の姉)は常にしゃきしゃき動き回っている人です。仕事もできるし、家事も得意。

同じ親から生まれ、同じ環境で育った姉妹なのにこれほど違うとは、もはや性質とか性格とかしか言いようがない、と思っていたのです。

ただあなたが自分の脳に、「すぐやらない」ための情報を与えているだけ。
引用元:菅原洋平『すぐやる! 「行動力」を高める”科学的な”方法』(文響社・2016)p.7


つまり、母は「やらない理由」を探すのが上手かった、ということでしょうか。
まあ確かに、テレビと友達な人なので、テレビの誘惑に負けていたのでしょう。

しかし、無意識にやっていることです。
変えることはできるのでしょうか。

あなたの脳は、あなたが脳に感じさせたもの―脳に見せたり聞かせたり触らせたものでつくられています。これから何を見せるか、何を聞かせるか、何を触らせるかで、脳は変化していきます。

引用元:菅原洋平『すぐやる! 「行動力」を高める”科学的な”方法』(文響社・2016)p.8


どんな情報を入れるかで脳は変化していく、というのは朗報。
ダラダラ癖も変えられる可能性があるということですね。


なお、睡眠不足だと何をやっても反応はいまいちになりますので、自分が睡眠不足でないことを確認してから取り組むことが大事だそうです。

すぐやるためのポイント

① ほかのものを「見せない」

テレビを前にして、「テレビを見ない!」と宣言するのは、いったん脳を「テレビを見るモード」にしてから、無理にテレビを奪おうとする行為です。脳に対して、「見ろ」という環境をつくりながら「見てはいけない」と強いているのですから、無理があります。

引用元:菅原洋平『すぐやる! 「行動力」を高める”科学的な”方法』(文響社・2016)p.8


これ、すごくわかります。

別のシチュエーションですが、ふと買っておいたお菓子が目に入ると、夜中でも食べずにいられない、的なこともありますよね。
見なければ全然平気だったのに!みたいな。

「無意識のテレビタイム」を始めないためには、リモコンさえも見ないことが重要なのです。
引用元:菅原洋平『すぐやる! 「行動力」を高める”科学的な”方法』(文響社・2016)p.41


なるほど。
お菓子も目につきづらいところに隠そうと思います。

というわけで、すぐやるための対策の一つは

テレビを見る時間を減らそうと思わなくていいから、テレビのリモコンの位置を決めていつも同じ場所に置く。

引用元:菅原洋平『すぐやる! 「行動力」を高める”科学的な”方法』(文響社・2016)p.8


「やるべきことがすべて終わるまではテレビ見ないぞ!」と決意・実行することはとても大変そうですが、リモコンを定位置にするだけなら全然できそう!

➁ 罪悪感は「すぐやる」の敵

「うあー結局ダラダラしてしまった」「たった1時間しか勉強しなかったー」とか。
思い通りに行動できなかったとき、罪悪感出てきませんか?

でもこの罪悪感、大敵なのだそうです。

罪悪感の高まった脳は何に期待するのでしょうか。それは、「罪悪感のあとにあなたがとる行動」です。あなたが罪悪感に基づいてとる行動を「とても価値のあるものだ」と評価します。

引用元:菅原洋平『すぐやる! 「行動力」を高める”科学的な”方法』(文響社・2016)p.38


罪悪感に基づいてとる行動を「価値あるもの」と判断する!?

つまり「あーダラダラしてしまった」と罪悪感を感じると、自己批判し、落ち込みますよね。これを脳は「価値あるもの」と判断するわけです。

結果、「落ち込む」ような行動を繰り返してしまうわけですね。
だって価値あるんだもの、脳的には。

脳的には価値あることを繰り返しているのに、結果的には好ましくないという……。
なんておそろしい。
何か悪いことをしてしまったときの罪悪感は必要ですが、「ダラダラしてしまったー」程度のことで罪悪感を感じる必要は皆無、なんですね。


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おわりに

面倒なことを後回しにせず、すぐやるためのコツを

すぐやる! 「行動力」を高める“科学的な”方法

から学びました。

ポイントは
・テレビやスマホなど、妨げになるものを脳に「見せない」
・ダラダラしてしまっても罪悪感は持たなくてよい(罪悪感をもつと余計に繰り返してしまう)
でした。

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