タイトルが気になったので読んでみました。
山口陽平『ジーニアスファインダー 自分だけの才能の見つけ方』
(余談。当ブログを見返していてわかるのですが、私はどうしても「才能発見系」の本を手に取ってしまう傾向があるようです。今の自分にまだ迷いがあるってことなんでしょうね。)
広告- - - - - - - - - -
どんな本?
少し前、「ストレングスファインダー(強みを見つける)」系の本が流行りましたよね。
令和では「ジーニアス(天才性)」に発展しているようです。
本書でいう「天才性」は、とびぬけた才能という意味ではなくて、その人固有の特性ということ。
なぜ「天才性」が必要かというと、現在の社会の伸び悩みを踏まえ、「創造」の時代に入っていくから。
しかしながら「天才性」とは、社会性と引き換えに失われていることも多いものです。
だからこそ、フタになっているものを外し、特異的な性質を見出して、生き方を再構築しようという趣旨の本です。
天才性を見つける3ステップ
詳細は本書をご覧いただきながら確認していただくとして、流れはこの通り。
STEP1「とげぬき」。過去(記憶)を整理して幼少期に植え付けられた自己評価や偏見を洗い流すこと。
STEP2「天才性の抽出」。自分のコア(存在の本質)から輝き出る光である天才性を明らかにすること。
STEP3「再構築」。天才性に基づいた生活環境や仕事を作り直すこと。
山口陽平『ジーニアスファインダー 自分だけの才能の見つけ方』Kindle版 位置No274
実際に行うのは、本を読みながらでないと難しいのですが、各ステップざっくりまとめます。
広告- - - - - - - - - -
とげぬき
成長の過程で、だれしも親や社会の影響を受けています。
誰かの何気ないひとことで、才能を封印してしまっている可能性は多いにあります。
偏った思考や固定観念をまずは外していこうというプロセスです。
まずは、人生の棚卸しから。
時間軸を5歳ずつぐらいに区切って、(とくに5~15歳までの)人生を振り返る作業。
「やったこと」「感じたこと」「結果」を書き出していきます。
一度にすべては出し切れないので、何回もやるのがコツのようです。
そのなかから、未消化の感覚があるものをピックアップ。
当時の状況をありありと思い浮かべつつ、
・当時の感覚や気持ちを味わう
・本当はどうしてほしかったのか
・今の自分は当時の自分に何を声をかけるか
・同じことを起こさないために今の自分と何を約束するか
などを明確にする。
まあ、これを自力でやるのは結構大変ですが……。
私の場合は、親子関係を振り返るブログ(>>>足かせは外すことにした)で似たようなことをやっていましたので、とげぬきはおおむね終了しているのかなと思いました。
天才性の抽出
「とげぬき」でストッパーを外したら、棚卸ししたもののなかから自分のコア(本質)をさがしていきます。
ありていにいえば「好きなこと」「時間を忘れて」「得意なこと」「自然と続けられる」とか、そのあたりのことですね。
▶天才性の価値は、誤解を恐れずにいえば「コスパがいいこと」です。同じエネルギーで行動を起こしても、アウトプットした時の効果が高いものが天才性に当たります。
山口陽平『ジーニアスファインダー 自分だけの才能の見つけ方』Kindle版
私の場合ですと、
・感情や考えたことを表現する(文章)
・何かをつくる(工作系)
などは、得意というか”ついやってしまう”ので、(天才性というよりは)本質という感じはします。
「自分の中にあるものを、何らかの形で外に出して、眺めたい」という感じなんです。
もちろん、自分がつくったものを「いいね」と言われたらうれしいですけど、自分で「ほう」と眺めているだけでも満たされる面がある。
自分のことを客観視したいのかな。
客観視したうえで、自分のことを「いいね」と思いたいような……つまりは自己肯定感を上げたいってことなのか?
とすると、自己肯定感を上げることが本質なのか?
とちょっとわからなくなってきましたが、とりあえず、得意・好きなことはわかりました。
本書では、意識が向かう方向(8方向)から自分を分析する項目もあります(むしろこっちがジーニアスファインダーのメインなのかな)。
どのポジションに該当するかで得られやすいもの・向いている仕事なども記載されています。
とはいえ「これだ!」とバチッと決まるわけでもなくて、あくまで自分を知るための参考、という感じかなと私は思います。
再構築
「天才性」が見つかったところで、それをうまく生かすことができなければ宝の持ち腐れ。
現実的に、仕事や生活環境に生かしてこそ、ですよね。
これから社会が変わっていくので、それに合わせて、かつ、自分の性質を生かしたライフプラン(自分が何をするか)を考えていきます。
自分の本質に合わせて自力で計画していくしかないので、けっこう難しいと感じました。
ポイントは2つ。
1つ目に、社会、時代において最も大きな市場で天才性を発揮すること。2つ目に、天才性の性質に合わせて収入のモデルを組むことです。
山口陽平『ジーニアスファインダー 自分だけの才能の見つけ方』Kindle版
たしかに衰退していく業界だと、どんなに頑張っても無駄になりがち(たとえば、このスマホ時代にガラケーのアプリばかり開発しても、、、ね)ですから、大きな市場というのは大事ですよね。
本書では、今後の日本、および新産業について、著者の考えが書かれているのですが、個人的には「ジーニアスファインダー」云々よりもそっちのほうが参考になるんじゃないかとすら感じました。(→別途記事にするかも)
広告- - - - - - - - - -
おわりに
自己分析系のことはけっこうやってきましたが、意外と難しいものだなと感じています。
自分自身で「私はこう」と思っていることも、人に聞いてみると印象が違って、「えっ?私って、そんな感じ?」ということはよくありますので、わりと見誤るんですよね。
私は10年くらいかけてなんとなく自分との付き合い方がわかってきましたが、カウンセラーとかメンターとか、だれかを介していたらもうすこし早かったのかな、とも思います(とはいえ相性などもありますし、だれか一人に傾倒するのは危険ですし、身近な人でないとわからないこともあるでしょうし……結局何がいいのかわかりませんが)。
自分のことだけは外から見られない(鏡や映像を通すしかない)ので、自分がいちばん自分のことをわかっていなかったりするのですよね。