ししもとの読書ノート2.0

自分らしく生きるために知識をつける

今後、日本で伸びていく産業は何か|感想②『ジーニアス・ファインダー』

じわじわとした衰退を感じていたところにやってきたコロナ流行。

「今後の日本、どうなっちゃうんだろう」という不安が以前よりもよぎるようになってきました。

この、「今後の日本、どうする?」みたいなザワザワに対し、ヒントとなる考え方が
『ジーニアス・ファインダー 自分だけの才能の見つけ方』
にあったので、メモしておきたいと思います。

本書の全体的な感想は>>>創造の時代に入るので「その人固有の性質」が大事になる|感想『ジーニアスファインダー』 

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衰退する産業は?

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ではまず、現在日本を支えている産業がどうなるかということですが。

これまで日本を支えてきた自動車産業、建設、新聞・テレビなど旧メディア産業は徐々に衰退していくでしょう。
山口揚平『ジーニアス・ファインダー 自分だけの才能の見つけ方』Kindle版 位置No.1267


新聞・テレビなどはすでにその気配がかなり漂っていますよね。

建設業は人手不足のイメージがありますが、これにもからくりがあって、現在の収支スタイルを維持するため、不要な新築を発注する仕組みになっているのだそう。

しかし人口が減っていきますから、空き家が増え、今後はリノベーションのほうが必要になるだろうとのこと。

自動車は当面は続くでしょうが、長期的には衰退の見込み。
・必ずしも日本製でなくてもよくなってきている
・電気自動車化、AI化で諸々変わる
・自動運転になるのでシェアが進む
・駐車場やメンテナンス業や保険にも影響
などが理由。

観光に頼るのは危険

「もう観光で人を呼ぶしかない」というのは最近ちらほら聞くようになりましたし、私自身もそんな気がしていたのですが、著者によればそれは「末期」なのだそうで。

確かにいまや外国人旅行者は年間3000万人、市場規模で4.8兆円まで達しています。でも、これはGDP500兆円の日本を支えるわずか1%にも満たない、ということを考えてみてください。
 そんな産業を本気になって盛り上げることで、一番の問題は、それにかかわる人々が増えてしまうことです。タピオカ販売なら誰でもできます。
山口揚平『ジーニアス・ファインダー 自分だけの才能の見つけ方』Kindle版 位置No.1267


GDP1%にも満たないところに人手を割いても、ということですね。

観光地からの中継をよくテレビで放映しているので目立つし、テイクアウト系の開業ハードルってそこまで高くないので、たしかに飛びつきやすいのですよね。

タピオカ屋さんが乱立して、コロナ禍で一気に閉店していくのを私自身も目の当たりにしたので、観光に頼りきるのってちょっとこわいなと最近思っていたところでした。

つまりインバウンドという名の観光産業とは、大切な雇用を食ってしまう極めて労働集約的で、参入障壁の低い低収益産業なのです。
山口揚平『ジーニアス・ファインダー 自分だけの才能の見つけ方』Kindle版 位置No.1267

 

特にこのコロナ不況の不安感をなだめたくて、「インバウンドさえ戻ってくれば」で思考停止しがちでした(メディアとかもそういう雰囲気ですよね)が、目が覚めたような気がします。

じゃあ日本は何で食っていけばいいのか。

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新産業、どうなる?

新産業は「ロボティクス」「医療と未病」「コミュニティ」
山口揚平『ジーニアス・ファインダー 自分だけの才能の見つけ方』Kindle版 位置No.1341

ロボティクス

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人手不足を考えると、いろんなところでロボットが活躍するのは間違いなさそうですね。

しかし現在、ロボット工学をリードしているのはアメリカと中国。

では日本の強みは、というと、サプライチェーンの長さ(製造だけでなく、販売やメンテナンスや回収など)に対応できること(島国由来のすり合わせ文化が有利、また、すでに自動車分野で培っている)だそうです。

自動車会社もそこらへんのことは十分認識しているでしょうけど、まだ一般的には「ロボットでいくぞ」みたいな雰囲気はないように感じるので、本来ならばメディアの出番かもしれないですね。

医療と健康

リカちゃん ドキドキちょうしんき!リカちゃん病院

日本は高齢化が進んでいるので、社会保障費が国家予算の3割にも達しています。

今後さらに増えるでしょうということで、コスト削減のために医療システムの見直しが必要になるとのこと。

こうした課題に対しては、海外から先端のシステムを導入して改革を進めるべきです。オペレーションを改善して、今かかっている医療費を3分の1に減らさなくてはなりません。
山口揚平『ジーニアス・ファインダー 自分だけの才能の見つけ方』Kindle版 位置No.1393

コロナ禍で、医療システムのあれこれが浮き彫りになりましたから、ここらで抜本的に見直したほうがいいのでしょうね。

しかし、「今をしのげれば」な場当たり感を国の姿勢として感じなくはないので、難しいのかもしれません。

システムに限らず、医療分野はいろいろな伸びしろがありそう(未病とかゲノム解析とか)です。

 

コミュニティインフラ

くもんの日本地図 パズル

この項目に関しては本書内では記述が少なく、私はピンときていないのですが、著者によれば、今後は「国を地域コミュニティに分解していくことが重要」とのこと。

関東地方、関西地方、東北地方、、、みたいなまとまりをつくって、それぞれが外交しつつ、というイメージ?

(私が思い浮かべたイメージなので以下は間違っているかもしれませんが)
人が足りない地域は、人が多い地域から人手を借り、その対価として何か(金銭など)お返しするみたいなことなんでしょうか?
人手が足りないところほど対価が大きいとか?

著者が挙げる具体例は「時間通貨システム」。
たとえば若い人がある地域でボランティアをしたときに、その時間(貢献度)を積み立てておいて、年をとったときにサービスとして使える。
(技術が発展することを考慮すれば、少ない時間で大きなサービスが得られる、というしくみ)

自分が若者だったら、、、金銭というわかりやすい形でないので曖昧に感じてあまり気が進まないかも?

ともあれ、いろんなアイデアを出していくことは大事ですから、頭に入れておこうと思いました。

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おわりに

・これまで日本を支えてきた自動車、建設、旧メディアは衰退の見込み
・インバウンドはGDPの1%にも満たないのでそこに人手を割かれるのは好ましくない
・伸びてゆくのはロボティクス、医療、コミュニティインフラ

ということでした。

ちょっと理解が不十分だったところもありますが、「日本、どうなっちゃうんだろう」的不安は少し薄れたようにも思います。