私は起業もしていませんし、現時点で考えてもいないのですが、フリーランスという働き方をしているので、参考になることがありそうだと思って読んでみました。
今井孝『起業1年目の教科書』かんき出版(2015)
どんな本?
タイトルからして、すでに起業した人限定の読み物かと思いきや、「起業したいけど諸々の都合が……」とモヤモヤしている人にピッタリだと思いました。
とにかく「起業」のハードルを下げてくれる本です。
最後にはやりたい仕事に到達するから大丈夫
起業云々に関わらず、「やりたいことがわからない」という人も参考になる部分がありそう。
最初の一歩は、どの方向に向かっても大丈夫です。まったく関係ないように思えても、何か1つ行動を起こせば、着実に夢に一歩近づきます。
そして最後には自分のやりたい仕事に到達しますので安心してください。
引用元:今井孝『起業1年目の教科書』かんき出版(2015)p.37
私自身、何のアテもなく会社を辞めてしまった人間です。
しばらく休んでもバリバリ働く気にはなれず、その時々で、できそうなこと(嫌じゃないこと)を細々とやる、くらいしかできませんでした。
できることを細々と、というスタイルだと、報酬は低い傾向がありますし、仕事内容的にも「これ、将来的に何の役に立つんだろう……」みたいなことを思う日もありました。
まさに、自分の将来には関係なさそうな、最初の、弱々しい一歩。
でしたが、現在の仕事でそのスキルがとても役に立っています。
むしろ、そのスキルがあることによって仕事がもらえているという状況。
無駄なことはない、なんて、しばしば聞く言葉ですが、本当だったので肯定せざるを得ないわけです。
一見無駄に思えることも、どこで役に立つかは本当にわからないし、それらが積み重なって、いつの間にか道ができていたりするということを実感します。
そしてさらにこれから、別のところにつながっていくのかもしれない。
逆に、何をやるか絞りきれない、という場合もあると思います。
あれがいいんじゃないか、いや、これからの時代はこっちかも、云々。
それも大丈夫。
そして、どう絞り込んだとしても、根本的にはその人の行うビジネスの本質は一緒になることが多いです。
引用元:今井孝『起業1年目の教科書』かんき出版(2015)p.133
何を選んでも、やることの本質は同じになるので、絞ってしまって大丈夫、ということです。
そう言ってもらえると、踏み出す勇気がわいてきますね。
すぐに結果を求めてしまうタイプの私は、結果が出る前に、やることをコロコロ変えてしまいがちでした。
それが功を奏することもあるかもしれないけれど、待てないことで何かしらの機会を失っているような気もする。
なんだかいつも「これでいいんだろうか」とすっきりしない……。
でもそんなとき、「結局は、行きつくところに行きつくのだ」と言ってもらえると、精神的な焦りが少し軽減されますね。
また、すぐに結果が欲しいときは、気持ちを整理すべし。
すぐとはいつでしょうか? 本当に明日、成功する必要があるのでしょうか?
急ごうと思うから苦しくなるわけです。
引用元:今井孝『起業1年目の教科書』かんき出版(2015)p.223
確かに、明日成功する必要があるかというと、そういうわけでもないのですよね(早いに越したことはないですが)。
焦って効率を落とすのではなく、目の前のことを大事にこなしていくのが、急がば回れで、結局一番早いのでしょう。
おわりに
起業にとどまらず、仕事にまつわる不安を和らげてくれる本でした。
気になったところから読めるので、仕事場に置いておいて、モヤモヤしたときなんかに開くと良いかもしれません。
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