ししもとの読書ノート2.0

自分らしく生きるために知識をつける

才能とは「練習量」|感想『おしえて北斎!』

Kindle Unlimitedでなんとなく目に留まって、気軽に読み始めたところ、けっこうグッときたので紹介します。マンガです。

いわきりなおと『夢をかなえる爆笑! 日本美術マンガ おしえて北斎!』

 

 

どんな本?

将来、一流絵師になりたいけれども、才能はないし、努力は続かないし、、、と悩んでいる女子高生・てんこが主人公。

そこへ、名だたる天才画家たちが次々とやってきて、彼らの人生や、どういうモチベーションで絵を描いていたのか、どんな練習をしていたのか、などをアドバイスしていきます。

そして、てんこは書き続けることを決意する、というお話。

絵を描きたい人に限らず、芸術系の仕事をしている人&目指す人にとっては、励まされる内容かと思いました。

とくに印象深かったところを紹介します。

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才能とは「練習量」

著者がこの本を描いたモチベーションは

一流になる人はきっと特別な何かをしているはず。凡人が知らない楽な上達法、寝ていても絵が上手くなる秘伝など。それを突き止め、取り入れたら僕でも一流になれるのでは⁉と思い、絵師の伝記を読み漁り、資料を集め、数年をかけて調査してみました。

いわきりなおと『夢をかなえる爆笑! 日本美術マンガ おしえて北斎!』サンマーク出版 Kindle版(2017)P.67


私自身もとくに若い頃、「(どんな分野にせよ)うまくいくための何か(奥義的なもの)があるのではないか」と思っていたフシがありまして。

なので、「秘伝を突き止めたい」という著者の気持ち、とてもよくわかります。
そして実際に伝記を読み漁ったり調べてしまうところにも共感。

さらに著者が労力をかけてたどり着いた答えが

結果「一流絵師は普通に練習しまくっていただけ」でした。

いわきりなおと『夢をかなえる爆笑! 日本美術マンガ おしえて北斎!』サンマーク出版 Kindle版(2017)P.67


天才画家たちは、幼い頃から死ぬ直前まで描きつづけている、と。

これも、「わ、わかる」という感じなんですよ。

私も、人生をうまくいかせたくて、さまざまなビジネス書とか、結果を出す系の本とか、お金の本とか、いろいろ読んできました。

もちろん本によって主張が異なる部分もありますし、それぞれに個性もありますけれども、思い切って本質を抽出すると、

「自分にできること
(好きなことがよいが、少なくとも嫌じゃないこと)をコツコツやるしかない」

ということらしいぞ……と思うようになりました。

最初は信じられなかったんですよ、「そうはいうても何か奥義的なものあるでしょ」と。

けれども、本をたくさん読めば読むほど、「コツコツやるしかない」というところに収束していってしまうんです。

もちろん、スタートラインに立った時点での、「センス」みたいなものは人それぞれあるとは思うんですよ。

学生時代を振り返っても、明かに運動神経が良い子、絵が抜群にうまい子、などなどいましたから。

でも、運動神経がよかろうが、絵が上手かろうが、その後何もしなかったらそのレベルで停止してしまうわけでして。

結局、長年コツコツやってきた人が、どこかでセンスある人を抜いてしまう場合もあるのだろうと思います。

まあ、いわゆる「天才」と呼ばれる人たちは、「もともとのセンス(得意 or 好き)+(好きだからこそ)練習量が多くなる」ということで、だれにも追いつけないほど卓越するのでしょうけど。

ただし、練習は正しくやる必要がある

「才能とは練習量である」といえども、練習のやり方が間違っていれば、結果は出ませんよね。

運動で言えば、悪いフォームのまま練習しまくったら、ケガにつながってしまいますし。
歌で言えば、のどの使い方が間違っていれば、のどを潰してしまいます。

なので、「やり方をわかっている人に習う」のも大事とのこと。

その例として、本書では、日本初の洋画家と言われる高橋由一の例が登場していました。狩野派をはじめ、いろんな人に教わったようです。

当時の日本で油絵を教えられる人はいませんから、記者として来日していたイギリス人、ワーグマンに師事したそうです。
なんと、アラフォーにして、江戸‐横浜間を歩いて習いに行っていたそうです。

東海道の江戸‐保土ヶ谷間だとすると、およそ33 kmの距離!
普通の人なら、だいたい8~10時間くらいかかる距離です。

江戸時代の人はとてもよく歩いたらしいので、現代の交通事情にあてはめて考えるのはズレがあるのかもしれませんが、「たいへん遠い」ことは間違いなさそうです。

でも、そこまでしてでも、油絵を習得したかったんでしょうね。
熱意が尋常でないですよね。

たくさん練習できるのも熱意があるから、なのだろうと思います。

ということは、才能とは「熱意」とも言い換えられるような気もします。

続けるためには、欲張らない

そうか、才能って、練習量なんだ!
熱意ならある! よっしゃ今日から頑張ろう!

と思いますよね。
しかも、こういうときは、脳がある種の興奮状態なので、ちょっと頑張れてしまうんですよね。
でも、欲張らないことも大事。

欲張って人の二倍三倍努力しようとすると続かない。だから自分の限界よりさらに少しだけ努力すること。

いわきりなおと『夢をかなえる爆笑! 日本美術マンガ おしえて北斎!』サンマーク出版 Kindle版(2017)P.213


これは耳が痛かったです。
私も、「欲張って頑張る→次の日にはやめる」を嫌というほど繰り返してきた人間なので……。

人生がうまくいかないときほど、焦って取り返そうとして、
実力以上に頑張る→疲れてやめる→結果的に何も得られない
をやってしまうんですよねー。

「自分の限界より少しだけ」を積み重ねる、個人的には今後の課題です。

おわりに

・才能とは練習量
・ただし、正しいやり方で
・(コツコツ練習するための)熱意は必要
・続けるために、欲張らない

ということでした。
本書では、これ以外にも創作を続けるためのコツが書かれているので、創作系の方々はぜひ。

コツコツ大事系記事

「できることをコツコツと」感のある本の感想記事を並べておきます。

experience.shishimoto-yuima.work

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