運について考えてみる
前の記事で紹介した本(ふろむだ『人生は運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』)のなかで、「成功するかどうかはほとんど運。だから成功確率を上げたいなら試行回数を増やすべし」というようなことが書いてありました。
>>>成功するかどうかはほぼ運なので、試行回数を増やす |感想『人生は運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』
それが頭に残っていたせいでしょうか。
書店を歩く私の視界に飛び込んできたのが
野呂エイシロウ『成功を決めるのは才能よりも運』大和書房(2018)
ふろむださん「成功するかどうかはほとんど運」
野呂さん「成功を決めるのは才能よりも運」
おお、ほぼ同じことをおっしゃっている。
人それぞれ、能力やら性格やら環境やら、全て異なるので、万人に当てはまる成功法則などがないことは承知しています(あれば全員成功しているはずですしね)。
とはいえ、経験則的に「可能性が高い」というようなことはやっぱりあるのだろうとも思います。
本書を読みながら運について考えてみることにしました。
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どんな本?
著者は大学に入るまでは運が悪いと思っていたそうですが、運よく放送作家になれた、とのこと。
運をよくする行動のコツ、が列挙されています。
どのページから読んでも大丈夫なタイプの本です。
「運を上げる」とか「運をコントロールする」と表現はされていますが、実質的には運そのものをコントロールしようとしているのではなく、「運やチャンスがやってきたときに、つかめるように自分を整えておく」という感じを受けました。
私は、運自体はコントロールしきれないと思っているので(遠足の日に雨が降らないようにコントロールできませんし、鳥のフンが頭上に落下してくるのをコントロールできませんし、隣の部屋にうるさい人が引っ越してくるのを阻止できませんし…etc)、「運がやってきたときに、最大限に掴めるように」「運の低下を自ら招かない(予防できるよからぬことは予防する)」というスタンスは現実的でいいなあ、と思います。
これまでに読んだ本と共通していた「運をよくするコツ」
読んでいて驚いたのですが、私がこれまで読んできた本と共通する考え方が結構ありました。
私が無意識のうちに似通った主張の本を選んでいる、という事情ももちろんあるでしょう。
ただ、そういった事情を考慮しても、あちらこちらで「あ、この考え方読んだことあるぞ」と何度もなるということは、それだけ多くの人に適合した、ということでもあるので、スタンダードな解決法ともいえるかも。
つまり、自分にも役に立つことかもしれない。
過去記事を振り返りながら、考えを整理したいと思います。
すぐ行動する
始めに行動ありき。思いついたらとっととやる。
引用元:野呂エイシロウ『成功を決めるのは才能よりも運』大和書房(2018)p.63
運のよさは踏んだ場数に比例していくのです。
引用元:野呂エイシロウ『成功を決めるのは才能よりも運』大和書房(2018)p.63
これはかなり頻繁に目にしてきた考え方です。
過去記事を引用しながら振り返ってみると……
・思いついたことを今すぐやっていきましょう、という本
experience.shishimoto-yuima.work
・先延ばしぐせ、ダラダラ癖をなくすためのコツが書かれた本
experience.shishimoto-yuima.work
ここに貼った以外にも、「すぐやるべし」はとにかくよく見かける気がするので、やっぱり大事なんだろうなー、とますます思うようになりました。
個人的に思うのは、結果云々よりも、早めに着手すると、気分がいい、というのが一番の良い効果かもしれない、とも思います。
なお、「すぐ行動」は始めるときだけの話ではなくて、やめるときも同様です。
仕事を辞めたい、とか、離婚したい、とか。
自分の心がないところで、何かを続けていてもうまくいくわけがありません。
引用元:野呂エイシロウ『成功を決めるのは才能よりも運』大和書房(2018)p.79
おっしゃる通り、と思います。
私自身、会社を辞めたくて仕方なかった時期があるのですが、当時の頭のなかは「辞めたい」でいっぱいでした。
そんな状態では良いアウトプットができるわけもなく、(これじゃ逆に周りに迷惑がかかるな……申し訳ない)と思ったのをよく覚えています。
その後、悩みまくった挙句、結局辞めたのですが、全く後悔していません。
「辞めたい」と思うエネルギーを他のことに回した方が効率はいいです。
運のいい人からアドバイスをもらう
著者曰く、悩みがあるなら、自分の知り合いのなかで、運がいい人をピックアップし、その人に相談せよ、とのこと。
枝葉末節の細かい部分ばかり見るのではなく、ひいて見ることも大事で、運がいい人は大局的にものごとを見られるから、的確なアドバイスをもらえる、というわけ。
これも一理あるなあ、と思いました。
運がいい人でもいいですし、「こういう生き方ができたらな」と思う人にアドバイスをもらうのもよさそうです。
おや……こんなニュアンスのこと、どこかで読んだ気がする…と過去記事を振り返ると、似たものがありました。
・自分を捨てて、いいなと思う人をとことん真似してみると、自分にないもの・あるものが見えてくる→どこを伸ばしたらいいかがわかってくる、という内容。
experience.shishimoto-yuima.work
また、別の本では、「運がいい人は情報量が多く、適切な計算をして、適切な選択を積み上げているのでは」的なことが書かれていました。
experience.shishimoto-yuima.work
運のよい人や憧れの人にもらったアドバイスをもとに判断する→うまくいく or いかない→振り返り という経験を積み重ねていくうちに、自分に合ったやり方ができてくるのかもしれません。
私は、尊敬している知人によくアドバイスをもらいます。
私自身は小者なので、とてもアドバイス通りにできない、ということもあるのですが、アドバイスに従ってみたら、すごくよかった、ということも経験しています。
結局のところ、人の力を借りつつ、自分自身で経験を積みながら、人生をよくしていく、というのが一つのやり方なのだろうな、と思います。
不幸を幸運に転換できるか
著者曰く、何か残念なことがあったときに、むしろラッキーと発想を転換できるかどうか、が大事とのこと。
例えば、失恋したときに「次の恋愛ができるからいい」と思えるか、とか。
この、不幸→幸運変換をやっている人の本も、読んでいました。
・著者の小山さんが異常にポジティブ。
どんな失敗も「むしろそれがのちの幸運につながった! ラッキー!」と捉えています。
experience.shishimoto-yuima.work
どんな仕事でも、いいとき悪い時というのはあるでしょうから、長く続けるには不運→幸運の変換が多かれ少なかれ必須なのでしょうね。
無理やりポジティブに考えるのはキツイときもありますので、そのときそのときにできる範囲で発想を転換していく、というのが良い気がします。
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他のよかったところ 一つ一つ丁寧に選択していく
一つひとつのことを真剣に選択し続けていくと、理想とするものが来たときにサッと選び取ることができるようになります。一方、「なんでもいいや」と思って選んだりしていると、いろいろなことが全部ダメになっていくと思うのです。
引用元:野呂エイシロウ『成功を決めるのは才能よりも運』大和書房(2018)p.51
過去の自分を思い出して、ハッとなりました。
「なんでもいいや」と選んでいたわけではないのですが、「どうせ希望通りにはいくまい」と思って諦めていたというか、妥協していたと思います。
仕事も、人間関係も、その他環境も…。
そうやって妥協しながら選んでいると、ますます理想から遠ざかっていきました。
そして、どんどん自分のことが嫌いになっていきました。
妥協したとしても、実は意外と心地よかったとか、満足できた、とかならまったく問題ないと思います。
しかし、私の場合は、(あのときこうしておけば…)とばかり思ってしまって、後ろを見てしまいがち。
だったら、一つひとつの選択を丁寧にやっていこう、と思いました。
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おわりに
私が本書から読み取ったことは、「運を上げたいなら、自分をよい状態に整えておくべし」ということでした。
心身はもちろん、身だしなみとか、片づけ、時間を守るとか…。
当たり前のことを当たり前にやる、それが土台となる。
土台がしっかりしていれば、何かチャンスがきたときに乗せることができる、というわけですね。