ししもとの読書ノート2.0

自分らしく生きるために知識をつける

10年後に後悔しないほうを選ぶ |感想『後悔しない超選択術』

決断(しかも小さいこと)に時間がかかる。
決めるまでの「あーでもない、こーでもない」と悩む時間が異様に長い。
しかも、考えたからといって「これで良かった!」とスカッととするかというと、必ずしもそうではないのです。
後悔することもままある。

というわけで、
メンタリストDaiGo『後悔しない超選択』西東社(2018)
を読みました。

メンタリストDaiGo氏、テレビでよくお見かけしていましたが、著書を読むのは初めて。
これも、Kindleの読み放題サービスのおかげ。

後悔しない超選択術

後悔しない超選択術

 

 

 

どんな本?

正しい選択、というものはそもそも存在しないそうです(未来は何が起こるかわからないから)。
よって大事なのは、「後悔しない選択をする」ということ。
後悔しない選択をするにはどうしたらよいか、について科学的に考える本です。

何かを選択するときの、自分の考え方やクセを客観的に把握し、その上で合理的な判断ができるように知識や習慣を身につけていこう、という感じかなと思います。

広告- - - - - - - - - -

 



よかったところ

意志決定スタイルを自覚せよ

「後悔しない選択」をするにあたり、まず大事なのは、自分の「意志決定スタイル」を把握しておくこと。
自分でしっかり考えて決めたつもりでも、身についた決定スタイルに従っているだけ、という場合もあるからです。

詳細は本書をご覧いただくとして、私の場合は
「直感的(自分の感覚を重視)・評価系マキシマイザー(完璧主義で後悔しやすい)」でした。
感情や思いこみなどの影響を受けやすい(直感的)上、どこかに完璧な選択があるはずと思い込んで探し回る(評価系マキシマイザー)ので決断も遅いし、さらには結果にも満足できないタイプ、ということでした。

絶対的に「ピンときた」というときは、謎の自信に満ち溢れて即決できる(まさに直感的)のですが、それ以外の場合は評価系マキシマイザー(完璧主義)が全面に出て「あーでもない、こーでもない」と完璧を求めて右往左往しますし、なんとか決めた後でも「ほんとにこれでよかったのかなー」と思ってばかり。

どうしたらいいのかというと、自分の傾向を認識した上で、

合理的に選択し、その結果に満足する

メンタリストDaiGo『後悔しない超選択』西東社(2018)p.63


意思決定スタイルには5つありますが、なかでも合理的に選択するタイプの人がもっとも後悔が少ないのだそうです。
さらにサティスファイザー(完了主義)だと、自分の決定に満足できるので、最も後悔が少ない、というわけ。

私のような評価系マキシマイザーは、選択の結果がどうなろうと、ポジティブな要素を意識的に見つけていくことが大事とのこと。

確かに私は、選択した結果のネガティブ面ばかり見てしまいがちです(ポジティブ面だってあるのに)。
何事においても完璧主義の傾向があるので、その自覚を頭の片隅には置いておきたいと思います(無理に修正するのは現実的ではないので、まずは認識するところからですね)。

長期的に考える

合理的選択スタイルに近づける考え方としてぜひ参考にしようと思ったのが、長期的な視点をもつこと。

意志決定の前に1年後、10年後の結果を想像してみるなど、日頃から長期的な視点で自分と自分を取り巻く状況について考えるクセをつけていきましょう。

メンタリストDaiGo『後悔しない超選択』西東社(2018)p.45 

 

新しいことを始めようか迷っているときなどに、「10年後にはどう思うだろうか」「やって後悔するだろうか、それともやらずに後悔するだろうか」と想像してみると、決断しやすくなりそうですね。

目の前のことや、数日先のことも大事ですけど、長期的な視点も大事ですよね。
長期的な視点が欠けているせいで、私はダラダラしてしまうのかもしれません。

迷ったら、数年後の自分はどう思うか、という視点を持ち出す癖をつけようと思います。

失敗ノート

有名投資家ウォーレン・バフェット氏の右腕、チャーリー・マンガー氏は、見聞きしてきた数々の失敗をノートに書きとめていたそうです。

何かを選択するときには、その「失敗ノート」をみて、選択ミスを未然に防いでいたそう。
成功の要因は複雑で解明しきれないけれど、失敗の要因は明らかだから。

たしかに!!
ノートにまとめるまではいかずとも、周りの人の失敗を見聞きして「自分は気をつけよう」と修正してきた、ということは意外と無意識のうちにやっているかもしれませんね。

私も、親を反面教師にして「こうはなるまい」と心がけてきた部分があります。
それが功を奏している面もあると思いますが、まだまだ足りないところも多々あります。

周囲の人に限らず、ニュースなどにも目を向けたらもっと知見が集まりそうだな、と思いました。

「失敗ノート」だと(個人的には)なんだか暗い気持ちになりそうなので、「失敗から学ぶノート」と題して一冊用意しようと思います。

不安への対処法

不安があると、選択を先延ばししてしまい、結果として行動が減ってしまいます。
まさに私はこのタイプです。

本書では、不安への対策も紹介されていました。
瞑想もいいですが、すぐに試してみようと思ったのが、「タクティカル・ブリージング」という呼吸法。

・口を閉じて鼻から4秒かけて吸う
・4秒止める
・4秒かけて口から吐き出す
・4秒止める


この呼吸法ならいつでも手軽にできるのでいいなと思いました。
全部4秒なのが、覚えやすくていいですよね。

不安な時というのは、
呼吸が浅くなる→血液循環が悪くなる→脳に酸素がいかなくなる→諸々の能力もダウン→ミス→悪循環
なので、ゆっくり呼吸するだけでだいぶ改善するようです。

 

感情によるバイアスを避けるには

選択力を強化しても、やはり罠(バイアス)にはまってしまうことはあります。
バイアスは5つあるのですが、中でも感情バイアスに惑わされるケースは多いのではないかと思います。

嫌な気分のときに選択を迫られると、ちょっと自暴自棄というか、もういいや、と適当になってしまうことがありますよね。

そんなときに有効なのが、「エモーショナル・ディスクロージャー」という手法。
ストレスを感じたら、自分の気持ちをありのままに書き出すだけ。

私は知らず知らずのうちに、これを数年前からやっていたのですが、本当にびっくりするくらい有効です。
かなり冷静になれます。

子供のころやからやっておけば、もっと早い段階で自分の人生を歩めたのでは、と悔やまれる。
(母が携帯や日記帳などを盗み見るタイプの人だったので、できなかったのですが。)

「ストレス→ノートに書く」は今後も続けていこうと改めて思いました。

というか、書かずにいると「なんか(精神的に)調子悪いな……そういえばノート書いていなかった」となるので、むしろ忘れないようにせねば。

トーナメント方式

最終章では、選択力を鍛えるトレーニングが5つ挙げられています。
その中で、やってみよう、と思ったのが、トーナメント方式で選ぶ、というもの。

たくさんの選択肢の中からいきなり一つ選ぶのは難しくても、小分けにして、ニ択ずつにしていけば、決めやすくなりますよね。

私はよく、どのカフェに行くか、とか、どのショッピングモールに出かけるか、とか、そんな些末なことで結構悩んでしまうので、今度やってみようと思います。

トーナメント方式なら、勝ち上がった選択肢以外は、予選や準決勝、決勝の段階で、一度は否定されているわけなので、最終的に残ったものを「これしかない」と納得できそうなところがいいですよね。

広告- - - - - - - - - -

 



おわりに

全体を通して思ったのは、「とにかく自分のこと(心)を日頃からよく見つめておく」ことが大事なのではないか、ということ。

自分がどこに向かいたいのか、何が好きで何が嫌なのか、このあたりのことを正確に把握しておくと、いざというときにも後悔しにくい選択ができるのではないか、と感じました。

とはいえ、意識して分かろうとしないと、自分のことって意外とわからないものですよね。
抑圧している場合はそれをほぐすことから始めないといけませんし、ある程度時間がかかりそうです。
選択もまた、試行錯誤の連続なのでしょう。

一方で、選択手法が自分の中で確立しすぎてしまったら、今度は新しいものを取り入れにくくなるという面もあるかもしれません。

自分の経験とか、考えてきたことにあぐらをかくことなく、ずっと考え続けていくのが大事なのかな、と思いました。
そのときどきの思考能力で。