気軽にぱらぱら眺めるのに良さそう、と思って手にとった本。
ポール・スローン著、中川泉訳『いつもの仕事と日常が5分で輝く すごいイノベーター70人のアイデア(Ts BUISINESS DESIGN)』TAC出版(2018)
いつもの仕事と日常が5分で輝く すごいイノベーター70人のアイデア (T's BUSINESS DESIGN)
- 作者: ポール・スローン,Paul Sloane,中川泉
- 出版社/メーカー: TAC出版
- 発売日: 2018/07/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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どんな本?
革新をもたらす「イノベーター」。
「イノベーター」だとピンとこないかもしれませんが、いわゆる偉人(ガリレオ、エジソン、キュリー夫人、ガンジー…etc)や、天才芸術家(ミケランジェロ、モーツアルト、ベートーベン、ピカソ…etc)、現代社会で類まれなる活躍をする人(マドンナ、J.K.ローリング…etc)など、世の中を変えてきたひとたち。
そんな変革者70人の業績や、生き方、仕事のやり方などがまとめられた本です。
各「イノベーター」について、2~3ページでまとめられているので、隙間時間にちょっと目を通すことができます。
仕事前とか、休憩中に読めば、まさにタイトルにあるように「いつもの仕事と日常が5分で輝く」可能性が。
いやいや、彼らは天才だもの、真似できるわけないじゃん、と思いますよね。
ですが、「自分を変えるアイデア」という項目があり、そこではイノベーターたちの着眼点とか行動が「一般化」されています。
たとえば活版印刷で有名なグーテンベルグの例。
彼は、ぶどう絞り機と硬化打印機とを結び付けて印刷機を開発しました。
これを一般化すると
結びつけることからはじめよう
偉大なイノベーションには、実際には既存のアイデアを結びつけているものが多い。
ポール・スローン著、中川泉訳『いつもの仕事と日常が5分で輝く すごいイノベーター70人のアイデア(Ts BUISINESS DESIGN)』TAC出版(2018)p.61
いきなりグーテンベルグのような発明なんかできるわけない、とは思っても、「結びつけることから始める」ならできるような気がしてきませんか?
実際に「結びつける」ことが必ず有効というわけではないですが、試しているうちに、一個くらいは、(グーテンベルグのような規模でなくても)よい結果につながるかも、と単純な私は思ったのでした。
こんな感じで70人のイノベーターが紹介されています。
印象に残ったところ
元素周期表はソリティアの賜物!?
中学生の頃、覚えましたよね、周期表。
水平リーベーぼくのおふね…
表の横方向に族、縦方向に周期を記したアレです。
この周期表を考え出したのが、ロシア人科学者のドミトリ・メンデレーエフ。
名前くらいは聞いたことがある方も多いと思います。
メンデレーエフが周期律を発見した、ということは私も知っていましたが、まさか発見のプロセスにトランプゲームの「ソリティア」が関与しているとは…。
何がどこでどう役立つかはわからないものですね。
彼の趣味にトランプゲームがあった。あるとき、それぞれの元素の重さを索引カードに書いていき、トランプゲームの「ソリティア」のようにカードを並べてみた。すると、似たような性質を持つ元素を、原子量順に並べることができたのだ。当時わかっていた原子をすべて原子量順に並べて表に書き出すと表に空欄ができたので、そこには未知の元素が入ると予想できた。
ポール・スローン著、中川泉訳『いつもの仕事と日常が5分で輝く すごいイノベーター70人のアイデア(Ts BUISINESS DESIGN)』TAC出版(2018)P.67
まず、「索引カードに重さを書いて並べてみよう」という発想がすごい、と思いました。
(ただし、ウィキペディアによると、「居眠りの最中、彼は夢の中で、すべての元素が原子量の順に並んだ表を見た。目を覚ました彼は即座にその表を紙に書いた。」となっており、「カードを並べてみた」とは書かれていないので、いろんな説があるのかもしれません。まぁ、トランプゲームが趣味だったのは事実のようですから、何かしらの影響があるのは間違いないとは思いますが…)
なお、メンデレーエフにならう「自分を変えるアイディア」を簡単にまとめると
①問題を図示してみる
②パターンを見つける
③あえて順番を変えてみる
以前、索引カード(情報カード)をダイソーで購入したことがあるのですが、数枚使用しただけでホコリをかぶっております…。
捨てようか迷っていたのですが、これを機に、何かに使えないか、もう一度考えてみようと思います。
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おわりに
アイディアに行き詰まりを感じているときに開くと、ダイレクトに参考になりそうな本でした。
本記事に挙げたこと以外にも、
・不便なことや、足りないこと、が後の発明につながっているケース
・これは何でだろう?という疑問を持ち続けることで、あたらしい発見につながるケース
などが印象に残りました。
不便をなんとかしたい、より便利にしたい、そうやって世の中は発展してきたのですよね。
今後は、周りの「不便なこと」「こうだったらいいな」と思うことがあったら忘れずにメモしたいです。
自分でどうにかできるような問題でなくても、企業のアンケートで「こんな商品が欲しいです」くらいは言えると思うので。
また、以前読んだ『自分の仕事をつくる』という本に、「やり方が違うから結果も違う」ということが書かれていた(参考>>>いいモノを作っている人の働き方に共通すること2つ|感想『自分の仕事をつくる』 )のですが、そのことを本書を読みながら実感しました。
まさに、イノベーターたちの多くは、まさに「やり方が違う」から「結果も違う」のでした。