Kindle Unlimitedで見かけて、表紙のインパクトが強かったので読んでみました。
冨塚あすか『職業、お金持ち。』
どんな本?
「お金持ちになりたい」と渇望している主人公のあすかちゃんが、「えびすさま」こと謎のお金持ちから、お金持ちになるためのアレコレを教わる、という、物語形式の本。
具体的に「これをすれば儲かる」系の内容ではなくて、お金持ちになるためのメンタリティというか、考え方・心構えみたいなところが書かれている本です。
この手の本はわりとよくある気がするので、「そうだったのか!」的な発見はないかもしれませんが、「知識としては知っているけれど(実行していない)」ことの確認にはいいかもしれません。
物語調で読みやすいです。
改めて考えを整理しておきたいと思います。
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その状態は、自分で選んでいる
「どうしたらお金持ちになれますか?」と主人公が「えびすさま」に問うと、彼は「貧乏は自分で選んでいる」と答える場面で。
人生はね、決して『思い通り』にはならない。ただ、必ず、自分自身の『思った通り』になるようにできているんだ。
冨塚あすか『職業、お金持ち。』すばる舎 Kindle版 p.30
これはお金に限ったことではなくて、人生全般に言えることだよなあ、と思ってハッとなりました。
「私には難しいんじゃないかなー?」「ほんとにうまくいくの?」と疑っている状態でうまくいったことはほとんどないです。
疑えば疑うほど、うまく力を発揮できなかったなと思います。
心と言葉が一致していない
なりたい、なりたい、とは言うものの口だけで、心の中ではお金持ちをある種『ファンタジーの世界』と捉え、自分と切り離してしまっている。
そんな人に、その現実が降りてくることはあり得ない。だって心と体がちぐはぐな状態で、自分を全く生きていないんだから」
冨塚あすか『職業、お金持ち。』すばる舎 Kindle版 p.31
これもすごくよくわかる。
お金持ちの起業家の人のニュースを見て「へー、そんな人もいるんだなぁ、別世界だなあ」としか思いませんでしたからね。
私自身はそこまで多額のお金が欲しいわけではなくて、今の生活を長く続けられる程度でよいので、そもそも目指すところの規模が違うというのもありますが。
貧乏でいることに少しでもメリットを感じるならお金持ちにはなれない
お金を受け取らないこと、お金持ちにならないことに一ミリでもメリットを感じているうちは、私はお金持ちになれない。
冨塚あすか『職業、お金持ち。』すばる舎 Kindle版 p.31
これもすごく納得で。
最近ようやく抜けてきましたが、私には「お金稼ぎたくない」時期がありました。
というのも、お金を稼いでいる(稼いでいるといってもただの会社員でしたが)と、親や親戚が「お金貸して」と言ってくるんですね。
当時の私は、親や親せきに認められたすぎて「いい子」でいることに必死だったので、断れなかったのです。
でも、本心としては嫌で嫌で嫌でたまらなかったんです。
こんなにしんどい思いして、やっと手にしたお金なのに、と。
しかも、家庭環境の影響で、「お金を使う=悪」的な観念があったので、収入はそれなりにあるのに、めっちゃ節約している、みたいな状態だったんですよ。
自販機でジュース買うのすら10分くらい悩む、みたいな。
そんな私の懊悩も知らずに「〇〇万貸して」とか言われるともうやりきれなくて……(向こうは「別にくれって言ってるわけじゃなくて、いつか返すんだからいいじゃない」という気持ちだったみたいですが)。
返してもらうにしても、当時の私は「金だけじゃなくて精神的なエネルギーまで奪われた」と感じてすごく嫌だったんですよね。
その一方で、会社を辞めたら、「お金貸して」と言われても、「いや、今仕事してないから」と毅然と断れるようになった。
「さっさと働け」的なことは言われるにしろ、「断れる」ということがものすごく爽快だったんです、私にとっては。
それまで、何においても「断る」こと自体が許されてこなかったので。
だから、私にとって「無職」は結構便利だったんですよね。
「いやー、今無職だからさ」と言って、気の進まない飲み会も断れるし。
また、会社員時代はかなりの税金を払っていたので、それが減ったのも「ちょっとラッキー」と思ったりとかしていて(反省)。
貧乏でいることに、メリットが大ありだったのですよ、私。
だからその後、仕事をするにしてもものすごく単価の低い内職を選んだりしていました。
最近は、干渉してくる親戚と距離を置き、「お金貸して」だの「生活が大変」だのと言われることもなくなったので、ようやく貧乏でいることのメリットがなくなってきたように思います。
すると、行動力がでてきたというか、なんだかサクサク動けるようになってきました。
お金に限らず、心理的なストッパーってすごく行動に影響するんだなと実感しています。
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おわりに
いくら「お金持ちになりたい」と思っていても、心のどこかで、貧乏でいることにメリットを感じてしまっていると、お金持ちにはなれない、という話でした。