過去の痛みを成仏させるため、自分の育った家庭を改めて客観視する作業をしています。(関連記事一覧はこちら>>>【もくじ】いかにして私はアダルトチルドレンになっていったのか【体験談】)。
私が何かに熱中すると、母が阻止してくるという話です。
この経験から、「何かに熱中してもムダ」「楽しみは奪われる」と思うようになり、人生を楽しく生きる術を失ったように思います。
辛い日々のなかで、いちばんの楽しみだった『りぼん』
小学生にして、いつもどこか憂鬱。
駆けだそうとすると、重りが足を引っ張って、「楽しい」をかき消してしまうような感覚でした。
でも、そんな私が、本当にすべてを忘れて没頭することができたのが、月刊誌の『りぼん』。
(今もあるんだ!)
『りぼん』の発売日だけは、楽しみで楽しみで仕方なかったです。
入手すると何日かは没頭して読んでいました。
『りぼん』を読んでいる間だけは、全てを忘れられました。
でも、この「没頭」を母は気に入らなかったのです。
小学校三年で『りぼん』禁止令が出される
『りぼん』に夢中の私を見た母は。
「あんなに没頭して『りぼん』を読むのはどこか頭がおかしいんじゃないか」
と言い出しました。
少女漫画ですので、恋愛要素もありはしますけれども、あくまで小学生向けです。
最近は読んでないのでわかりませんが、少なくとも当時は過激な描写なども皆無でした。
しかし母はどうやら、
「『りぼん』に影響されて娘が恋愛にのめり込んだらどうしよう」
と思ったらしいのです。
小学校三年ですよ、、、。
恋愛にのめり込んだとしても、「だれそれがかっこいい」とかその程度のものでしょう(なかったけど)。
そもそも、学校であったことを1から10まで、毎日母に報告させられていた身です。
うっかり報告しわすれたことがあれば「なんで隠し事したのっ!? やましいことでもあるんでしょうっっ!」と大変な目に遭います。
恋愛などする余裕もありません。
それに、習い事のために放課後もおちおち遊んでいられないのですから、誰かと仲良くなる時間が物理的にもありません。
それなのに、「恋愛にのめりこむのでは」と疑われていることが、残念でたまりませんでした。
疑われているどころか、なにかこう、「遊び人の女め」みたいな、汚いものを見るような目で見られているのがショックでした。
伯母とタッグを組んでくる
『りぼん』を断つのは辛いので、さすがの私もけっこう難色を示しました。
すると母は、伯母とタッグを組んで説得してくるのです。
(『りぼん』に限らず、ですが)
伯母から電話がかかってくるか、伯母の家に遊びに行ったときに「あれはいかん!」と母とセットになって言ってくるのです。
いまは伯母との関係もこじれてしまいましたが、当時の私にとって、伯母は母代わりの面もありました(実母がいろいろ頼りないので)。
母のことは当時から(自覚はなかったものの)何となく嫌いでしたが、伯母のことは好きだったのです。
伯母の期待にもこたえたかったのです。
それで結局、私は『りぼん』禁止令を受け入れてしまいました。
当時よりも後になってから恨めしく思う
「友達の家で読むのはOK」という謎の特例ルールが設けられ、一、二度クラスメイトに読ませてもらいました。
が、そうしょっちゅう『りぼん』目当てで遊びのも気がひけますし、次第に『りぼん』は私の世界から消えてゆきました。
なければないで、なんとかなるものではありましたが、大人になってもなお「あのとき『りぼん』を禁止された」という恨みはバッチリ残っています。
大人になってから、当時の楽しみを取り戻そうと、月刊誌(さすがに『りぼん』ではなく、『Cookie』とかでしたが)を買ってみましたが、あのころのような高揚感はみじんも感じられませんでした。
そのときの感性でないと楽しめないことがあるのだ、と実感しました。
楽しめるものは楽しめるうちに楽しんでおく。
これが大事だなのだと学びました。
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親を反面教師に
子どもが興味をもっているものを取り上げるのは、その子の可能性の芽を摘むだけだと思います。
「ゲームばかりして勉強しないからゲーム禁止」とかもよく聞くパターンですよね。
でも、強制的にゲームを禁止にして勉強させたとしても、正直勉強に身が入らないですよ。
親の手前、やっているフリするだけ。
とりあえずこなすだけ。
生活に「楽しみ」がなくなるので、どんどん無気力にもなっていきます。
ますます勉強もやりたくなくなります。
と、経験者の私は思います。
なにごとも、自ら向上しようという意志がないと、伸びませんからね。
「じゃあ、ゲームだけしていて将来食いっぱぐれたらどうするんだ」という意見もあるでしょう(うちの母が言いそう)。
でも逆に、勉強ばかりしていた私は、学生のうちから病みぎみで、社会に出て早々にダウンしてしまって、「普通に働く」こと自体が難しくなってしまいました。
子育て中の親御さんは、「何かで食べていければいい」くらいの気持ちで、子どもをあまり追い詰めず、見守ってあげてほしいと思います。
(補足)勉強にはメリットもあるよ
若い人がこの記事を読むこともあるかもしれないので、一応補足しておきます。
もちろん私も、勉強には多大なメリットがあることは知っています。
たとえば、「将来やりたいことができたときに、挑戦しやすい」こととか。
勉強しておくと「〇〇になりたいけど、大卒じゃないとダメだから」みたいなことは少なくなります。
あるいは、スポーツ選手など、特殊な仕事をしている人が第二の人生を考えるときにも、選択肢が広がりますよね。
まあ、「勉強しておくと、つぶしがきく」ということなんですよね。
学者や研究者になりたい人以外は、あくまでも「リターンのよい保険」みたいなものだと、今の私は考えています。
本当に知りたいことができたとき、本気でやりたいことが見つかったとき。
誰に言われなくても必死で勉強するものです、人間。
ただ、そのとき、基礎ができていたほうがスムーズに取り組みやすいよ、ということですね。
たとえば四則演算からやり直していたら、目標までの道のりが遠すぎて途中で諦めてしまいかねないですから。
けれど、未来のために「今」を潰して病んでしまうくらいだったら、「今」楽しめることを楽しんでおいたほうが後悔は少ないのでは、と私は思います。
未来のために「今」を潰して、その結果「未来」(の多く)をも潰してしまった者としての意見でした。
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