ししもとの読書ノート2.0

自分らしく生きるために知識をつける

ただやみくもに幸福になろうとするよりも、原則に従う| 感想『「幸せをお金で買う」5つの授業』

タイトル『「幸せをお金で買う」5つの授業』を見たときに思いました。

「時間をお金で買う」はよく聞くけれど、「幸せをお金で買う」なんてできるの?と。
むしろ、幸せはお金では買えないから、みんなもがいてるんじゃないの、と。

でも、もしも幸せをお金で買えるならいいよなあ、と半信半疑で読み始めました。
エリザベス・ダン、マイケル・ノートン、古川奈々子訳『「幸せをお金で買う」5つの授業』KADOKAWA(2014)

「幸せをお金で買う」5つの授業 (中経出版)

「幸せをお金で買う」5つの授業 (中経出版)

 

 

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どんな本?

本書の目的は、みなさんに幸福度をもっと上げられる方法でお金を使えるようになってもらうことです。

エリザベス・ダン、マイケル・ノートン、古川奈々子訳『「幸せをお金で買う」5つの授業』KADOKAWA(2014)Kindle版 位置No.164

 
幸福度を上げるには「収入を増やせばよい」と考える方もいらっしゃるかもしれません。

けれども、(ある金額までは相関があるが)年収と幸福度は比例しない、と様々な論文などで言われていますよね。

本書によれば、富を得ることを考えると、他人を遠ざけることにつながる場合があり、その結果幸福度が下がるんだそうです。
(たとえば、お金をためたいからと交際費をケチる→孤独になる、など)

だからこそ、もっと稼ぐことを考えるよりも、なるべく幸福度を高めるような使い方をしようじゃないか、という内容の本です。

5つの原則

幸福になるためのお金の使い方は

①経験を買う
②ご褒美にする
③時間を買う
④先に支払って、あとで消費する
⑤他人に投資する

エリザベス・ダン、マイケル・ノートン、古川奈々子訳『「幸せをお金で買う」5つの授業』KADOKAWA(2014)Kindle版位置No.2593


どの項目も、すでにどこかで聞いたことがあるような感じもします。

正直、斬新さはないなあ、と思ってしまったのですが、せっかくなので、各項目について、考えたことを記していきたいと思います。

①経験を買う

 多くのお金をレジャーに使う人々のほうが、人生に対する満足度が明らかに高かったのです。

エリザベス・ダン、マイケル・ノートン、古川奈々子訳『「幸せをお金で買う」5つの授業』KADOKAWA(2014)Kindle版位置No.343


なぜ経験を買うと満足しやすいかというと、経験を通して、人とのつながりを感じられる可能性が高いからだそうです。 

これ、過去の私はわかっていませんでしたね。

たとえば、好きなミュージシャンのライブ。
昔の私は「お金がもったいない」と思い込んでいたんです。

アリーナツアーとかだと7000~8000円する場合もありますよね。
「そんな、たった数時間で1万弱!?」と思っていました。
アルバムを買えば3000円程度でほぼ永遠に聴けるのに、と。

まあ、心の底ではちょっと行ってみたい気持ちもあったんですよね。
どんなもんなんだろう、と。

で、あるとき、ライブによく行く友人が、チケットを手配してくれたんです。
ファンクラブに入っていてもなかなか当選しないらしいというチケット、こりゃもう行くしかない、と。

で、行ってみたら、それはもう素晴らしかったんです。
子供の頃から節約が癖になっていた私でさえ
「こりゃ、数時間でも一万円支払う価値があるわ」
と思わざるを得ないようなものでした。
(どんな職業にしろ、「プロ」はすごいですね)

そうやって感動していると、表に立っているミュージシャン以外に、とんでもない数のスタッフがいることに気づきます。
音響さんなどの、比較的目につきやすいスタッフから、会場設営や、シャトルバスの運転手さんまで……。
とんでもない数の人が動いている、と。
だからこそ、私はライブを安全安心に思い切り楽しめるのだ、と。
「そりゃ1万円弱かかるわ!!」と思いました。

後で思い出しても「素晴らしかった」と思えるので、「経験を買う」って実はお得だな、と考えるようになりました。

一人旅も「もったいない」と思っていたんですが、行ってみると想像以上に得るものがあり、また楽しく、その価値がわかりました。

「お金もったいない精神」で生きていたかつての私に、「お金もったいないと決めつけることで逆に損しているよ」と伝えたいです。

②ご褒美にする

ごく短い中断でも、私たちの歓度計はリセットされます。

エリザベス・ダン、マイケル・ノートン、古川奈々子訳『「幸せをお金で買う」5つの授業』KADOKAWA(2014)Kindle版位置No.969

 

どんなに好きなものでも、「いつでも手に入る」状態だと、飽きることはありますね。

最初はすごくおいしく感じたカフェラテでも、毎日なんとなく飲んでいたら、なんとも思わなくなりますし。

人間関係でもそうですけど、倦怠は少しずつ崩壊を招くのだそうです。
だからこそ、あえて距離を置くことで新鮮味を取り戻すとよい、と書かれていました。

たとえば、月曜から木曜は耐えて「金曜日はカフェラテの日」にするとか。

カフェラテに限らず趣味などにおいても、「すごく好きだったのに、なんだか飽きたな」と思うことがあれば、少し「やめてみる」というのも、長期的にみれば「続けるコツ」なのかもしれません。

③時間を買う

ほとんどの人は給料が安くても家に近い職場に通うほうが幸せでいられるのです。

エリザベス・ダン、マイケル・ノートン、古川奈々子訳『「幸せをお金で買う」5つの授業』KADOKAWA(2014)Kindle版位置No.1357


日常の厄介事って、一つひとつは小さくても、幸福度にネガティブな影響を与えるのだそうです。

たとえば通勤時間が長いとき。
電車の混雑に辟易したり、立ちっぱなしで腰が痛かったり、嫌な場面に遭遇したり、駅から遠ければ悪天候が憂鬱だったり……と「ちょっとした疲れ」は避けられない気がします。
(本書はアメリカでの話がベースなので、長時間の運転による疲労や、割り込まれてイライラ……という話で、日本とは微妙に状況が異なるようですが)

そのようなちょっとした疲れとか苛立ちみたいなものが、じわじわと幸福度を脅かすわけですね。


通勤に関しては、「全然平気」という人もいらっしゃるでしょうが、、私は疲れて仕方ないタイプなので、職場の近くに住んだほうが幸福度が高い、というのは非常に納得感があります。

目いっぱい仕事をして、会社をヘトヘトの状態で出たとき、「まだこれから帰るのに〇時間もかかるのか」とか思うと絶望でしたから。

でも、かつての私は「我慢こそ素晴らしい」と思い込んでいたので、「職場の近くに住むなんてお金が勿体ない」が先行してできませんでした。

今振り返ると、無理せず近くに住めばよかったなあと思います。
そのほうが、長く続けられたかも。
(基本的に頑張ろうとしすぎて疲れて自爆するタイプ)

④先に支払ってあとで消費

具体的な例でいうと、旅行などですね。

たいていは予約サイトなどで事前に申し込み、お金を払いますよね。

そうすると、消費を先送りしている状態になるわけで、その間ワクワクしたり、ポジティブな期待をします。

すると、現実が仮に微妙だったとしても、その差を埋める能力がアップしているので、楽しめるのだそうです。


あとは、(本書に書かれていたわけではありませんが)福袋などもこれに該当するでしょうか。
中身がわからない状態でお金を支払い、後で開封・使用するので。

開けてみて「なーんだ」と思うこともままあるのですが、「何が入っているんだろう」とワクワクする時間はたまらないですよね。

福袋を買うとき、中身よりもワクワクを買っているのかもしれませんね。

⑤他人に投資する

誰かのために使うと自身の幸福度がアップする、というのもよく聞く話。

私の友人にも、毎月「国境なき医師団」に寄付している人がいます。
その友人は基本的に寄付体質で、ことあるごとに寄付したりプレゼントをしたりと「与える系の人」なんですが、確かにいつも幸せそうです。

しかしながら、私にはまだ理解できない境地なんですよね……。

というのも、親や親戚からお金を要求されていた時期があるんですが、これがもう、私は嫌で嫌で嫌で嫌で仕方がなかったんです。

どれだけ私から(お金に限らず、気持ちも)搾取したら気が済むの!?みたいな気持ちでした(でも断れない)。

そのときにキツい思いをしたせいか、いまだに「他人に投資するなんて絶対無理!」と思ってしまいます。


本書を読み進めていると、人に使うにしても、そのときの「状況」が重要らしいです。

追い詰められて仕方なく、というのだと、喜びはないそうで。
良い気分になれるのは、自分でそうすると決めたときのみだそうです。
むしろ、義務だから、とか、怒られるから、というモチベーションだと気分が悪くなるそうです。

そうですよね、ちょっとホッとしました。


自分の行い(寄付)が、具体的にどのような効果をもたらすか、を意識するといいのかもしれません。
たとえばこの100円がワクチンになって云々、的な。

あるいは、ものは試しで、「他人に使うなんて絶対無理」と思いながらでもいいから、できる範囲でエイヤっとやってみたらわかるんでしょうか。

そのあたりを、今度、寄付体質の友人に聞いてみようと思います。

自分のことばかり考えている己の小ささが恥ずかしいですが、これも等身大の私、今は仕方ない、と思うことにします。

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おわりに

「なんとなく聞いたことある」的な内容ではありましたが、体系的に整理できたのでよかったかな、と。

全体的に、アメリカでのエピソードが基本になっているので、ちょっとなじみにくい部分もあるかな、という感じもありました(たとえば、お金の単位もすべてドルなので、パッと金額が思い浮かばないとか、知らない企業名が出てくるとか……けっこう読み飛ばしてしまいました)。


エピローグが一番よかったかも。

もっと幸福になろうとするのは、自分の心臓移植を自分で行うようなものです。ほとんどの場合、自分で手術するよりは、専門家にまかせたほうがよい結果が得られるでしょう。

エリザベス・ダン、マイケル・ノートン、古川奈々子訳『「幸せをお金で買う」5つの授業』KADOKAWA(2014)Kindle版位置No.2936

 

ただやみくもに幸福になろうとするよりも、研究などで効果が確認されている原則に従ったほうがいいよ、ということ。

なんかこれ、グサッときたんですよね。

辛いときほど幸福になりたくて、幸福になろうともがきましたが、実質的には溺れているようなものだったなあ、と自分でも思うからです。

幸福になろうと焦るほど、遠ざかっていたような気がします。

幸福になろうとする努力が報われないことが多いのは、幸福になるやり方がわかっていないことにも原因がありそうです。

エリザベス・ダン、マイケル・ノートン、古川奈々子訳『「幸せをお金で買う」5つの授業』KADOKAWA(2014)Kindle版位置No.2936


努力の方向も間違えると、ただ疲弊して、こじらせるだけなんですよね。
同様に、幸福になるやり方がわかっていないと、幸福にはなれないというのもうなずけます。

幸福の定義自体、人によって異なると思うので、まずは「自分にとっての幸福はなにか」をはっきりさせることが大事な気がします。