ししもとの読書ノート2.0

自分らしく生きるために知識をつける

意図せず、お金持ちと自分の違いがわかってしまった|感想『もしも、人生を今日からやり直すとしたら』

図書館で気になったので読んでみました。

もしも、人生を今日からやり直すとしたら 孤独を恐れず自由に生きる法則

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どんな本?

著者は美容クリニックのお医者さん。
私自身もテレビで見かけたことがあるので、かなり有名な方と思われます。

テレビで見たときは、お金持ちっぷりが強調されていたので、正直「なんかうさんくさい」と思ってしまったのですが、本書を読むと、どういう思いでここまで来られたのかがわかり、少し印象が変わりました。

お金持ちの医師ときくと「順風満帆そう」と思ってしまいますが、著者はかなり苦労されていて、

 もし私が人と違うところがあるとすれば、「人はいつからでもやり直せる」ことを信じ、「チャレンジし続けた」「あきらめなかった」ということに尽きると思います。
p.6

ということで、「今日から人生をやり直すためのヒント」が書かれた本です。

 

特に印象深かったところ

器を広げる

著者の親御さんの事業が安定せず、そんな環境に著者も翻弄されてきたようです。
医師になってからは親御さんの生活費を出していたとのこと。
金銭的な事情があったからこそ、美容外科のアルバイトも始めたのだそう。

しかも、親だけでなく、きょうだいとその家族の面倒まで見ていた時期があるのだとか。

さすがに著者も

私がちょっと成功したとみるや、今まで冷淡だった人や身内がすり寄ってきて、みんなが私にぶら下がってくるという状況が起こったのです。 
 そのときはそれがひどく重荷で、苦しかった。「なんでオレだけが稼がないといけないのか」とフテくされていました。
p.80

 

著者ほどではないですが、私も、母に振り回され、父と伯母にお金を貸していた時期があり、ものすごく苦痛だったので、この気持ちは痛いほどわかります。

私は途中から断ったり、距離を置いたりしましたが、著者は違いました。
そしてあとからわかったことがあるといいます。

本当の成功はそういうことをすべて乗り越えたところにあるのです。
「なんでオレばっかり」と考えるのは自分が未熟だから。器が小さいから余裕が持てないのです。
 親にお金を渡すにも、300万円しか稼げないときに100万円を渡すのはしんどいですよね。でも1000万円稼げばなんとか100万円を渡せるし、1億円稼げば100万円はもうなんともなくなります。
p.80

 

ちょっと額が大きくてピンとこないので、あえて庶民化してみます。
たとえば月30万稼いでいたとして、親に10万もってかれるのはしんどいですが、1万くらいならまだなんとか、1000円だったら抵抗ないかもですね(これくらいの規模なら私にもわかる笑)。

まあでも、たとえ1000万稼げても、100万わたす自信、ないかもなあ。
そんな私は未熟者です。

このへんがお金を稼げる人と稼げない人の大きな違いなのかもしれませんね。

トラブルやくじけそうなことがあったとき、「もっとやってやる」と奮起できる人は、ちょっとやそっとでは諦めないわけですから、結果的にいつか稼げるようになるわけですね。

一方で、私は……「お金稼いだらあいつらが借りにくるから、もう稼ぎたくない。」と思ってしまうほうで。
心底そう思っていたので、会社員を辞めた後は低収入の状態が続きました。無職や低収入だったら「私も余裕ないからお金貸せない」と毅然と断れますからね。

著者のように耐えられる人は別として、私のような無気力タイプはまあ、しがらみをうまくかわすほうが向いているのかなとは思います。

器を広げるために我慢しすぎて病気にでもなったら意味ないですから。

心の問題も同じ

こういった「器を広げる」は、お金のみならず心の問題も同じ、と著者はいいます。

たしかに、心の器を広げる件については、私自身もちょっと実感があるんです。

たとえば、マウンティングとってくる系の人に遭遇すると、以前はイラっとして相手のことが結構苦手になってしまっていました(私自身だって若いころなどにやったことあるのに)。

でも今は「あー、この人、自信ないんだな。ここまで自分のことを”すごいんだぞ”と言わねばならないって、他の人が言ってくれないってことだから……ちょっと気の毒だな」と思うケースが増えてきました(毎回ではないですが)。ちょっとは成長した模様です。

ただ、「心の器を大きくしよう」なんて思ってもいなくて、なるべくストレスを溜めない生活をしたり、過去を振り返ったりしているうちに、自然と、という感じなんですよね。

だから、あくまで結果論であり、器を大きくしようと思ってできるものでもないような気もしています。

逆に、「心の器を大きくするために、この人のこと受け入れなきゃ」と思っていたら余計に器が狭まってしまいそうな気もします。

人それぞれ、耐性は異なりますから、そのときどきで自分が納得できる選択肢を選ぶのが何事においてもいいのだろうと私は思ったのでした。

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おわりに

お金云々を期待して読んだわけではないのですが、結果的に、稼げる人と稼げない人の考え方の違いがなんとなくわかってしまいました。

稼げる人:「お金を無心してくる親がいるならもっと稼げばいい」
稼げない人:「もうお金貸したくないから稼ぎたくない」

結局、稼げない人(というか私自身のことですが……)は、稼がない状態のほうが何かしらのメリットがあるということなんでしょうね……(自分で書いててなんか……つらい)。