ししもとの読書ノート2.0

自分らしく生きるために知識をつける

読むのに気合がいる本はイラストで理解|『見るだけでわかる! ビジネス書図鑑』

本屋さんで見かけて、表紙の絵がかわいかったので気になっていた本。
Kindle Unlimitedに入っていたので、読んでみました。

グロービス著、荒木博行執筆『見るだけでわかる! ビジネス書図鑑』ディスカヴァー・トゥエンティワン(2019)Kindle版

見るだけでわかる!ビジネス書図鑑

見るだけでわかる!ビジネス書図鑑

 

 

 

どんな本?

ビジネス書を読むとき、自分の仕事に生かせる考え方はないか、という視点で読む方が多いのではないでしょうか。

けれど、本の内容って、意外と頭に残りませんよね。

著者もそのような事態を避けるために、使えそうな視点をメモなどに残してきたそうです。
しかし、文章だといまいち記憶に残らない。
そこで、イラスト化を始めたそうです。

イラスト化したものをフェイスブックに載せたら大反響で、出版に至ったのだとか。

とっつきにくい本や抽象度の高い本こそ、イラスト化が有効、ということで、本書では、「とっつきにくいけれど奥深い本35冊」紹介しています。

ビジネス書がメインですが、生き方にも通じる本や、流行ったけど読むのには気合がいる的な本もあり、興味深く読みました。

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『見るだけでわかる! ビジネス書図鑑』の概要



読書メモのまとめ方例としても参考になる

本書では以下のような形式でビジネス書を紹介しています。
(以下は私のメモです。実際のフォーマットやデザインなどは本書でご確認ください)

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ビジネス書を紹介するフォーマット 参考文献:『見るだけでわかる! ビジネス書図鑑』

上記はパワポで作成したので、説明部分も単なる図形で表していますが、本書では著者手書きのかわいらしいイラストとなっています。

イラストには手書きのコメントも併せて記載されています(手書きの文字って、その人の雰囲気を感じることができて良いですよね)。

紹介の仕方は、まずポイントを3つに絞り、それらについて少し詳しく説明、というスタイル。
シンプルでスッキリしています。

ポイントをおさえた後、キモとなる文章や印象的な文章を一箇所引用して、それに対して著者の思うところを述べる形式です。
引用のおかげで、その本のもつ雰囲気みたいなものも感じられます。

本の全体像というか、構造をつかんで残しておく、という点で、とても参考になるなあ、と思いました。


私も読書メモをとってきましたが、「メモはとったんだけど……とっただけ」という覚えがあります。

たまにメモを見返して「おお、そうだった」となる程度で、自分の人生に活かせているかというと……そうでもなかったです。

そこで、当ブログで感想を記事にするようになったわけですが、開設から早2年以上。

記事を書くことで、本の理解度や記憶の定着具合は飛躍的に向上したのは間違いないと思います。

とはいえ、改善の余地がまだまだありそう……
そんな気が、ここのところしていたんです。

たとえば、当ブログでは、共感したり、ハッとなった文章を引用し、それについて自分の感想を記す、というのがメインなのですが、そうすると、どうも本の輪郭がボヤっとするとか。

一応、記事の最初のほうに「どんな本か」というのを簡単に書くようにしているんですが、ざっくりしすぎたり、あるいは細かすぎたり、とバランスがつかみきれずにいました。

本書のようにポイントを挙げて、記事のどこかに明記しておく、というのを意識してみようかな、と思いました。



35冊のうち、印象に残った本

『自分の小さな「箱」から脱出する方法』

自分の小さな「箱」から脱出する方法

自分の小さな「箱」から脱出する方法

 

 
これ、気になっていたんです。
図書館でも見かけたことがあり、何度か借りようとしたのですけど。

「箱」と聞いて、勝手に量子力学っぽいイメージ(シュレーディンガーの猫の思考実験的な)を抱いてしまい、難しそうな気がしていたんですね。

でも、本書『見るだけでわかる! ビジネス書図鑑』で概要がわかり(※量子力学の本ではありませんでした)、「絶対読もう!」と思いました。



『〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則』

 
この本、実は以前、図書館で二回借りました。

最初のほうは読んだんです。
非常に興味深い内容なのですが、抽象度が高めで、読むのに頭を使う感じがありました。
結果、期間内に読み切れず返却期限が来てしまった……。

だから、『見るだけでわかる! ビジネス書図鑑』でポイントがわかってスッキリ。


また、『サピエンス全史』『銃・病原菌・鉄』など、流行っているけど、読むのに気合が必要そう、という本の紹介もありました。

途中で脱落しそうな本は、とりあえずポイントだけでもわかるとありがたいですよね。

仮に、後で読むにしても、なんとなく輪郭がつかめているほうがとっかかりやすい気がします。

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おわりに

「ポイントを挙げ、イラストを交えつつ端的に説明する」という本の紹介の仕方、シンプルだし有効だなと思いました。

しっかり理解するためには、「元の本を読まないとわからないなあ」と感じるので、「本を紹介する書籍」として優秀だと感じました(私はつい書きすぎてしまうので)。

ざっと全体に目を通して、気になったものを読むのもいいですよね。
「想像していた内容と全然違った……」と愕然としなくていいし。