ししもとの読書ノート2.0

自分らしく生きるために知識をつける

「めんどくさい」の正体を分解してみた |感想『「めんどくさい」がなくなる脳』

生きていればめんどくさいこと、たくさんありますよね。
深刻なものから、ライトなものまで。

ここ数年の私の「めんどくさい」は「ごはんを作るのがめんどくさくてめんどくさくて仕方がない」です(汗)。
まあ、食べないわけにいかないので、渋々作るのですが。

「めんどくさい」に頭が占有されている状態って、どうにも居心地が悪いので、下記の本を読んでみました。

加藤俊徳『「めんどくさい」がなくなる脳』SBクリエイティブ(2017)

「めんどくさい」がなくなる脳

「めんどくさい」がなくなる脳

 

 

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どんな本?

発達脳科学・MRI画像診断を専門とするお医者さんが書かれた本です。

脳科学的に「めんどくさい」とは何か、を解説し、「どうしたらすぐ動けるようになるか」に答えています。

ポイントはめんどくさい」の正体を明らかにして、きちんと取り扱うこと。

私の「ごはん作るのめんどくさい」問題を例にとりながら、解決策を考えていきたいと思います。

脳の特徴からすれば、めんどくさくて当然

もともと、脳が持っている特徴として、次の四つが挙げられます。

●起動に時間がかかる
●一度休むと、起動にものすごいエネルギーがいる
●疲れているとき、眠いとき、不機嫌なときは処理能力が低下する
●新しいこと、苦手意識のあることの処理速度が落ちる

引用元:加藤俊徳『「めんどくさい」がなくなる脳』SBクリエイティブ(2017)P.003


つまり、本来の脳の性質を考えると、めんどくさいのは当然ということ!

「めんどくさい」を言い換えると、「これから脳に負担がかかりそうだぞ…」という危機メッセージ

どんなときに危機メッセージが発せられるか、というと大別して7つ、本書では紹介されていました。

詳しくは本書をご覧いただくとして、私の「ごはん作るのめんどくさい」問題は、特に次のような場合に出るな、と思いました。

・「めんどくさい」が癖になっている(以前めんどくさいと思った記憶をひきずっている)とき
→私の場合は、比較的手のかかるものを作ったときの「○時間もかかってしまった…」という反省や疲労感から、「料理=めんどう」なイメージが定着してしまっている気がしました。

また、書きながら気づいたのですが、私はもともと食べることがあまり得意ではなく、おいしいものを食べたいという欲もあまりないので、料理に時間をかけるとなんだか損したような気分になるのです。
労力に対して見返りが少ないような気がする、というような感覚。これが「めんどくさい」につながっているかも。

・身体がつらい(疲れている)とき
→帰宅が遅くなったりして「急いでごはんを作らねば」という状況のときに「めんどくさい」が生じることが多いです。
結局、少し休んでからにしよう、と休むのですが、休んでいる間も「あーごはん作るのめんどくさいよう」とモヤモヤしてしまい、「めんどくさい」が加速。

・融通をきかせたり工夫しないといけないとき
→作る以前に、メニューを考えるのが面倒、というのもありそうです。
私は冷蔵庫にあるものでメニューを考える派(買い物の時点では考えておらず、とりあえず安い食材を買う)なので、作る前に「考える」というプロセスがあります。

また、「いつも同じメニューではいけない」と思いつつも、つい似たようなものばかり作ってしまうので「あーあ、また代わり映えのないものを…」と思ってしまう→ますます作る気が失せてきます。

まとめてみると、私の場合、めんどくさいにつながっていることは

① 料理とは労力がかかるわりに、得られるものが少ないと考えている
② 作業量や手順がきちんと把握できていない(不確定要素がある)

でした。

対策を考えてみる

「ごはん作るのめんどくさい」を自分なりに分析するところまできました。
続いて、どう対策するか、本書を参考にしながら考えてみます。

「① 労力のわりに得られるものが少ないと思っている」の対策

私は「料理に労力をとられるのが悔しい」と思ってしまうタイプなので、いかに効率化するか、がキモになりそうです。
煮たり焼いたりするだけで済むもの(いわゆる加工食品)をうまく使うとか。

ただ、加工されているものよりも、生に近い状態のものを調理する方が、身体への負担は少ないと聞くので、加工食品ばかりでいいのかな、という迷いはなきにしもあらずですが。
とはいえ、別に「保存料けしからん!」というほどでもないので、あまり気にせずに使ってしまおうかな。
手間のかからない調理家電(ホットクックとか)を投入するという手もありかも。

本質的には、毎回の食事が身体を作っているのだということをもっと実感できるといいのですけどね。
食後すぐに効果が現れるわけではないので、つい「めんどくさい」が勝ってしまいます…。

② 作業量などが見えていないの対策

これは、本書に記載されていた方法が役立ちそうです。
作業を始める前の10分で手順を見える化する、というもの。

脳は「すぐとりかかる」ことはハードルが高くても、「すぐ準備する」のは大して負担がかからないそうです。
だから、まずは準備する、と。
手順とかやることを書き出してみる、と。
やることが明確になると、行動の障壁が下がりますので、比較的スムーズにとりかかれそうです。

まとめると
対策① 効率化する(そのことを手抜きとかネガティブに思わなくてよい)
対策② 料理前にメニューやざっくりした手順を書き出す

やってみた

ひとまず、料理前にメニューを書き出してみました。
するとたしかに、ちょっと脳にスペースができたような感じがあります。

めんどくさくない、まではいかないですけど、「まぁ、やるか」くらいにはなります。

書き出したことによって、意思の力を使わずとも「これからこれをやります」と宣言したような気分になるので、脳自体も「やるんだなー」と素直に認識してくれているような感じがします。

あとはやはり、うまく手を抜くことも大事。
冷凍のカットほうれん草を多用したり、缶詰や冷凍食品もうまく使う。
そして、そのことに対し「手を抜いてしまった……」と悩みすぎない。
このあたりのことを心がけています。

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おわりに

「めんどくさい」は脳のアラーム、大事なセンサーでもあります。

「めんどくさい」の度に、「このめんどくささを言い換えるとどういうことか?」と自分に問いかけ、本質的な原因を見つけて対処していきたいと思いました。