つけたくない習慣はついてしまうのに、つけたい習慣はなかなかつかないものですね。
というわけで、本屋で見かけて気になっていました。
吉井雅之『習慣が10割』すばる舎(2018)
帰宅後に検索してみたら、なんとKindle Unlimitedの読み放題にありました!
広告- - - - - - - - - -
どんな本?
著者によれば、性格や才能に優劣はなく、習慣がすべてを決めている、といいます。
だからこそ、良い習慣をつければ、そして、悪い習慣をやめれば、思い描いた人生を送れる、と。
習慣の本質を解き明かしながら、どうすれば習慣化できるか、そのコツについて紹介された本です。
著者は「生まれつきの能力に優劣はない、たとえば勉強できる子とできない子の差はコツコツ勉強する習慣があるかどうか」と述べており、これに関しては個人的には100%同意というわけではないのですが、「捉え方によっては、そう考えることもできなくはない」とも思いつつ読み進めました。
というのも、実際問題として、向き不向き(好き嫌いともいえる)は確実にあると思っています。
人生の様々な場面で、良い意味でも悪い意味でも、「これはもう努力とか習慣でどうにかできるレベルではない」という場面に立ち会ったことは誰にでもあるのではないでしょうか。
現実的には「適性がある(好きなこと)」×「習慣力」の掛け合わせが最強なのだろうと思います。
ただ、向いていないものであっても、一生をかけてコツコツ取り組んでいったとしたら、人生を終える時点においては、いわゆる「ウサギ(才能ある人)」を追い越している可能性はありますね(ウサギは途中でやめるかもしれないので)。
そういう意味では、著者が主張するように「すべて習慣次第」とも言えるのかもしれません。
よかったところ
刷り込みに操られていないか
過去の言葉や行動、思考など、1つ1つの積み重ねが今の自分を作り上げてきたのです。
吉井雅之『習慣が10割』Kindke版位置No.128
子供時代に周囲からネガティブな刷り込みを受けると、それは行動に現れてしまう、と著者はいいます。
そして同じ行動様式を繰り返すうちに、人生や生き方にまで波及してしまう。
「おまえはダメだ」と言われ続けると、「ダメな私」のほうに寄っていってしまうというか、ダメだからこそ取り戻そうと焦ったりするのですが、焦りのあまり、結果的に「ダメ」な選択をすることになってしまうんですよね。
これは本当に実感というか経験があります。
親から疎まれているという感じが(たとえ無意識下でも)あると、周りの人もまた、自分を嫌っているのではないか、などと疑ってしまいますからね。
疑ってばかりいると、ネガティブな出来事ばかり目につきますし、疑っていることが相手にも伝わりますから、結局あまりいい結果にならないことが多いのですよね。
こういった悪い思考の習慣は、どこかで断ち切るというか、良い思考にシフトできるとよいですが、本当に難しいです。そもそも刷り込みに気づけない場合もありますし。
でも、刷り込みに気づいた場合は、自分で刷り込み直すことができます。
過去の習慣の積み重ねが、今の自分を作り上げている。
たしかにそれは事実です。
だったら、今から始める習慣の積み重ねで、未来の自分を作り上げればいいい。
吉井雅之「習慣が10割」Kindke版位置No.217
刷り込み直すだけなら、と一見簡単に思えるかもしれませんが、長年の思考の癖って、ほんとうに侮れないと思います。
なので、一時間ごとに「よくやっているね」と自分に声かけをすると決めるとか、機械的にやるのがいいのかな、と思いました。
悪い習慣のやめかた
パチンコやギャンブル、お酒など、やめたほうが好ましい、いわゆる「悪い習慣」って、やめるのが難しい。
「やるべきことはやらず、やるべきでないことをやる」というのが、何事もうまくいかない人の反応パターン
吉井雅之『習慣が10割』Kindke版位置No.619
ほんと、この一言に尽きるな、と思ってしまいました。
周りの人を見てもそう思いますし、自分を省みてもそう思います。
幸い、私自身は、パチンコもギャンブルもお酒もタバコも興味がないので、そのあたりは大丈夫なのですが、「お菓子をたくさん食べてしまう」とか「すぐ先延ばしにする」とか、些細な悪い習慣は多々あります。
甘いものをしょっちゅう食べているせい&中学生のとき歯医者に行くのを先延ばしにしたせいで、虫歯だらけです。
大人になってからきちんと治療はしましたが、いったん虫歯になると、詰め物と歯の境界からまた虫歯になったりして(入念にブラッシングしているのに)、今は歯医者ばかり通っています……。
歯は一生使いますし、かなり健康に関わるので、虫歯が発見される度に「あーあ……」と思います(医療技術が進んだとはいえ、そもそも歯科治療を受けること自体がなかなか苦痛ですしね)。
そのたびに「甘いものやお菓子を減らそう!」と思うのですが、どうしてもしばらくすると、甘いものやお菓子を欲してしまい……というのを繰り返しています。
これは、「甘いもの」と快の感情が結びついている状態だからだそうです。
こんなとき、どうしたらいいかというと、「近づかない」。
とにかくお菓子は買わない。家にあると食べてしまいますから。
そもそも、スーパーのお菓子コーナーに行かない。
しかしこれがですね、いざやろうとするとびっくりするほど難しいんですよ。
たとえばドラッグストア。目玉商品として、特売価格のお菓子が店頭に並んでいるんです。
スーパーでお菓子コーナーを避けることに成功しても、レジ前にちょっとしたお菓子が並んでいるんです。
「今日くらいいいか、ここのところ我慢していたし」とお菓子再開。からの制限崩壊。
こんなときは、「お菓子=快」となっているのがいけないので、お菓子を遠ざけたくなるやり方をするという手が。
お菓子に限らず、暴飲暴食を避けるときにも有効だそうで。
目の前の食べ物に、脳が接近したくなくなる名前をつけましょう。
ケーキや肉類なら、それを「脂肪の塊」と名付けます。
そして、「今から脂肪の塊を食べます!」と言ってみてください。吉井雅之『習慣が10割』Kindke版位置No.2193
私の場合は、お菓子を食べる前に「今から虫歯の素を食べます」と思ってみようかと。
また、甘いものは老化を進めると聞いたことがあるので「今から老化の素を食べます」でもいいかも、と思いました。
本記事ではお菓子問題について考えましたが、本書にはギャンブルやタバコお酒などのやめ方についても言及されています。
一個前の習慣を意識
本書を読んでいて、「ああー私に足りないのこれだ」と思ったところ。
習慣が続かない人には、ある共通点があります。
それは、「1個前の習慣」を意識していないことです。吉井雅之『習慣が10割』Kindke版位置No.880
たとえば、早起きをしようと決意したとする。
そのためには、就寝時間を意識しないといけない、ということですね。
私は何をするにものんびりしがちで、何事も遅れ気味になるところがありますので、「1個前の習慣」を意識することがとりわけ重要かもしれません。
ですが、就寝時間を意識するとなると、夕食やお風呂の時間、さらにさかのぼって帰宅時間なども意識する必要がでてきます。
となると、最終的には、一日の時間割みたいなものをつくって、それに従って生きる、ことが効率的なのでしょうかね。
ですが、コントロールしきれない部分もありますし、あまりギチギチに決めることで苦しくなってもいけませんから、優先度の高い習慣と、その1個前を死守する、くらいで良いのかな、と思ったのでした。
広告- - - - - - - - - -
おわりに
習慣化に関して、かなり網羅されている本だと思いました。
いろんなケースが記載されていますので、人によってそれぞれ参考になるところがあるのではないかと。
勉強、練習といった「正しいこと」を続けることも大事ですが、思考や考え方においても良い習慣を身につけることが大事、と解説している(良いほうに刷り込み直す)ところが良いなと思いました。
何を選び続けていくか、それが人生をつくると思うと、気がひきしまる感じがします。
(といいつつ、数日後には結局だらだらしてしまうんですが… まぁ、自分比で少しずつ向上してはいるので、よしとしよう)