ししもとの読書ノート2.0

自分らしく生きるために知識をつける

小手先の時間術よりも「生き方」「自分にとっての幸福」から考える |感想『怠け者の時間術』

「怠け者」と「時間術」って、正反対のイメージの単語が並んでいるのがおもしろいな、と手に取った本。

午堂登紀雄『怠け者の時間術:ーー自分に負荷をかけない「仕組み」の作り方』パンダ・パブリッシング(2018)

怠け者の時間術: ――自分に負荷をかけない「仕組み」の作り方

怠け者の時間術: ――自分に負荷をかけない「仕組み」の作り方

 

 

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どんな本?

午堂氏といえば、著作も多数で「怠け者」とはほど遠いイメージ。
会社も経営されているそうです。

ですが、ニートやダメ社員だった時期もあるそうで、そういう境遇にいる人の気持ちもわかる、とのこと。

ニートやダメ社員から、会社経営者になるにあたり、何を変えたかというと、時間に対する管理と思考

時間術に関する本(効率化や細切れ時間の利用など)も読んだそうですが、自分自身が満足する時間の使い方でないと意味がないと思ったそうです。

そこから、自分に合った時間の使い方を模索していって、たどりついた考え方や仕組みなどが書かれた本、といったところでしょうか。

・どういう生き方をしたいのか
・何をすれば幸福と感じるのか
を合わせて考えていくのがポイント。

タイトルに「怠け者」と入っているので、「ラクしてうんぬん」をつい期待してしまいましたが、決して手を抜いたりするわけではなく、むしろ仕事をバリバリこなしたい人向け

ただ、ほかの時間術の本と違うのは、一般的に良しとされているやり方を踏襲したり推したりするのではなく、それを自分用に根本から刷新したり、というか、「枠組みを疑う」というような、自分の頭でよく考えよう、というところかなと思いました。

よかったところ

生活スタイルは変えなくてもOK

早起きって、しばしばおすすめされていますよね。

著者もそれにならって、早朝に勉強をしてみたことがあるそうです。
が、眠気で頭が働かなかった、とのこと。

つまり、自分にとって負荷が大きすぎると、役に立たない、ということ。

そこで、無理に早起きしたりしなくても、生活スタイルを変えずに、どれだけ起きている時間をうまく使うか、ということを考えるようになったそうです。

そのためには、負荷をかけずに

・長続きする仕組み
・集中するための仕組み
をつくることが大事。

具体的な例としては、「前の日のうちにToDoリストをつくっておく」とか「ゴールデンタイムを把握しておいて、その時間帯に難しい仕事をする」といったことが紹介されていました。

この「生活スタイルを変えずに(必要以上の負荷はかけずに)」という考え方、夜型にはありがたいです。
私も、どんなに努力しても「朝弱い」が克服できなかったので。

そもそも細切れ時間は作らない

細切れ時間を活用せよ、というのはいろんな本で言われていることですよね。
著者は「そもそも細切れな時間を作らない」といいます。

たとえば、訪問先には30分~1時間前に到着しておき、時間まで近くのカフェで仕事をする。

10分前とかに到着すると、中途半端なのでコンビニなどで時間をつぶすことになるわけですが、この細切れ時間自体の存在をなくそう、という。

な、なるほど。存在自体を消す、と。

私は心配性ゆえ、わりと早めに到着するタイプなのですが、15分前とかに着いてしまうと、たしかに非常に手持ち無沙汰なんですよね。
コンビニに寄ってもこれといって見るものもないし、周辺をぐるぐる歩き回ったりして時間をつぶしたりしていました。
無駄でした。

あえて早めに行ってカフェで仕事、今後機会があれば試してみようと思います。

資料はまず全体像をつくることが大事

著者によれば、原稿を書くときは

まず箇条書きで言いたいことをバーッと並べます。
 次にその一つひとつの項目についてザックリ文章を書いていきます。
 最後に順番を入れ替えたり、つなげたりしながら、直していくという作業をします。

午堂登紀雄『怠け者の時間術:ーー自分に負荷をかけない「仕組み」の作り方』パンダ・パブリッシング(2018)Kindle版 位置No.653

 

全体通しを3回やるイメージだそうです。

私は最初から順にやっていきたいタイプでして……。
最初のほうがうまくまとまらないと次に進めないようなところがあります。
それはそれで、最初のほうで何度も考えるので、納得しながら進められる面はあると思うのですが、やっぱり全体として「遅い」というのは否めないです。

時間があるときはかまわないかもしれませんが、納期がタイトだったりする場合は圧倒的に「まずは全体像」のやり方が向いていますよね。

自分が会社員だった頃を思い出してみても、プレゼン自体は得意なほうだったと思うのですが、とにかく準備に時間がかかってしまい、急ぎの案件が重なると焦って焦って生きた心地がしなった思い出が…。

基本的には「じっくり納得しながら進めたい」という気持ちが私はとても強いので、そのスタイルでいこうと思いますが、「まず全体像」を意識するやり方にもトライしてみてもいいかな、と思ったのでした。

 

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おわりに

「怠け者の時間術」とタイトルにありますが、バリバリ仕事したい人向けです。

ですが、著者にもニートやダメ社員だった時期があると知ると、才能云々だけではなく、工夫で向上できることもあるのかもしれない、と思えますね。

時間術に関する記事も溜まってきたので、共通項が見えてきました。
近いうちにまとめたいと思いつつ、月日は流れる。