図書館でたまたま見かけて読んでみた『仕事に行ってきます』シリーズの本がなかなか印象に残ったので紹介します。
広告- - - - - - - - - -
どんな本?
知的障害や発達障害がある人の、「仕事のある一日」を紹介する本でして。
誰にでも読みやすいよう、すべての漢字にルビがふってあったり、ピクトグラムも併記されているので、一般向けというよりは、困りごとを抱えている当事者の方向けの本のようです。
ですが、一般人が読んでも興味深く、なかなか普段知ることのない「リアルな一日」がそこにはありました。
私が読んだのは、ホテルの主に清掃の仕事をしている「光さん(発達障害・軽度知的障害)」の1日。
思ったこと
掃除が大好きという光さんは、ホテルでスイートルーム(詳細忘れましたが、いわゆる高級なお部屋)の清掃を担当。
そのこだわりぶりはすさまじく、窓も洗面所もピッカピカに拭き上げるそう。
こだわりが強いだけに少し時間がかかってしまうことがあるようで、「そこらへんが今後の課題」とホテルの方のコメントがありましたが、仕事ぶりはハイクオリティのようでした。
企業からすれば効率も大事なので、「それはたしかになあ」と思うと同時に。
スイートルームなどの高級エリアであれば、多少時間がかかっても丁寧であればあるほど良いと思うので、「すごい適材適所なのでは?」とも思いました。
泊まる側からしても、それなりにお金を払うわけなので、「お掃除の方、ちょっと慌ててたのかな」と思う(いやまあ、そうめったにないでしょうけども)よりは「すごくきれいに掃除されている、さすがだなー」と思えるほうがより宿泊を楽しめる気がするのですよね。
仕事だからこそ、気合を入れておられるのかと思いきや、光さん、そもそも掃除が大好きで、帰宅後も自宅の洗面所やトイレなどをピカピカに磨き上げるそう。
それほど好きなことなら、ご本人にも無理が少ないでしょうし、「天職に近いものを見つけられたのだなあ」と思いました。
もちろん、雇うホテル側にも非常に理解があって、様々な条件は配慮されているようなので、どこでも簡単にできるようなことではなさそうですが。
仕事帰りに何時間も歩く(詳細忘れてしまいましたが、3時間だったか30キロだったか)とか、すさまじい筋トレとか、食事は夜のみで大量に食べるとか、「たしかに通常の雇用形態だと難しいよな」という、リアルな面も垣間見えました。
おわりに
これは障害のあるなしに関わらず言えることだと思うのですが
自分の能力は世の中で「よし」とされる方向に生かす
というのは大事だなと改めて思いました。
私個人の例でいえば、心配性ゆえわりとなんでも時間がかかってしまうほうで、悪く言えば「仕事が遅い、どんくさい」のですが、書類関係や校正の仕事などではそれが「丁寧でミスがない」とありがたがられることも多いんですよね。
同じ性質でも、力を発揮する場によって「遅い」になるか「丁寧」になるか、評価が全く異なるわけで。
だったら、よい評価になるほうの環境を選ぶことも大事だなあと思います。
広告- - - - - - - - - -